まるでノミのようにぴょんぴょん跳ねる小さなバッタをご存知でしょうか。
ヒシバッタよりも更に小さい、その名もノミバッタ。今回はこのノミバッタについて詳しくお話します。
ノミバッタの特徴と生態
ノミバッタはバッタ目ノミバッタ科に分類され、台湾、中国、日本全土に分布しています。
日当たりの良い湿った地面や砂上を好み、畑地や河川敷などに生息しています。地表の土粒を積み上げてドーム状の巣状の物体を作り、その中に潜んでいます。
体長は4~6㎜。黒色で頭部に丸みがあり、全体に頑丈そうなスタイルの小さなバッタです。
前翅はウロコ状で後翅は扇型をしています。腹端には尾角、尾突起合わせて4本の突起物が目立ちます。
後脚が発達していて、跳躍力が極めて強く、水面からでも跳ね上がることができ、小さくてよく跳ねることからノミバッタの名前がついたと言われています。
生息地では4~6月と9~11月にかけてよく見かけるバッタです。
バッタとキリギリスの見分け方
バッタの仲間とキリギリスの仲間の見分け方はご存知でしょうか。
バッタとキリギリスの違いは触覚にあります。触角が長いのがバッタ亜目で長いのはキリギリス亜目。
キリギリス亜目の触角はほとんどが体長よりも長くなっています。一方バッタ亜目の方の触角は短く、体長の半分ほどの長さです。
また、秋によく聞こえる虫の声。実際は鳴いているわけではなく、翅をこすり合わせて音を出しているわけですが、バッタ亜目は前翅と後翅をこすり合わせて音を出すのに対し、キリギリス亜目は左右の前翅を奮わせて音を出します。
複雑な音色を出すことができるのは木ギリス亜目の方です。
耳の位置にも違いがあり、バッタ亜目の鼓膜は胸側面にありますが、キリギリス亜目は前脚にあります。
マダラノミバッタとノミバッタの見分け方
マダラノミバッタはノミバッタと同じくノミバッタ科に分類されるバッタで南西諸島に多く分布しています。
本州でも神戸などの数か所に生息地があるようですがとても珍しい種類です。
マダラノミバッタはノミバッタと同じく体長は4~6㎜。
脚が濃褐色と薄褐色のまだら模様で、翅に白斑点があるのが特徴で、ノミバッタと見分ける時のポイントもそこになります。
成長が進むにつれて模様もはっきりとしてくるので、成体になった時に体の模様もはっきりとします。
ヒシバッタとノミバッタの見分け方
ヒシバッタもまたノミバッタ同様に小さいバッタです。
体長は10㎜内外。土色で背面に黒紋があることが多く、日本全土に分布し、乾燥した畑地や草地に多く生息しています。
後翅は短くほとんど飛ぶことができません、ヒシバッタ科は約650種ほどあり、前胸背が後方に長く延長し腹部の前部を覆う点で他のバッタから区別されます。
熱帯地方に種類が多いですが、日本にはヒシバッタの他にもよく飛び水辺に多いハネナガヒシバッタな20種類ほどが生息しています。
ノミバッタとの見分け方は大きさもありますが、跳躍力。
水面にノミバッタを落とすと見事に跳びはねますが、ヒシバッタにはそこまでの跳躍力はなく、少し沈んでしまいます。
水面のすぐ下を上手に泳ぎ、泳ぎ着かれると胸を横にして気門を水面に出して呼吸します。
ノミバッタのまとめ
ノミバッタはノミのような跳躍力のある小さいバッタ。
バッタとキリギリスの違いは触覚の長さや耳の有無、鳴き方の方法。
ヒシバッタもノミバッタと同じ小さいバッタだが、水に落とすとヒシバッタは沈み、ノミバッタは水面から飛び上がる。
皆さんもノミバッタをどこかで小さな小さなバッタを見つけたら、ちょっと触ってその跳躍力を体感してみて下さいね。
(ライター ナオ)