ゲンゴロウの仲間、ハイイロゲンゴロウをご存知でしょうか?
存在感のあるハイイロゲンゴロウについて詳しくお話ししていきます。
ハイイロゲンゴロウの特徴
ハイイロゲンゴロウは北海道から南西諸島まで広く分布しているゲンゴロウです。
水田に多く見られる中型のゲンゴロウで、淡黄色に黒い点刻が多数あり、灰色に見えることからハイイロの名前がつきました。
体表には更に黒い斑紋もあり、上翅後方に黒い横帯が見られる個体も多くいます。富栄養化に強く、大量繁殖することも報告されています。
体長は12~14㎜ほど。
水中では円を描くような特徴のある泳ぎ方をします。
飛び立つときには他のゲンゴロウのように上陸せず、みずすましのように水面に浮かび上がり、翅が水を弾くと同時に飛び立つことができるのも特徴です。
エサはアカムシなどで3~10月にかけて発生し、翅をブーブーと鳴らすことも出来ます。
ハイイロゲンゴロウの見分け方
ゲンゴロウの仲間にはハイイロゲンゴロウと同じサイズのゲンゴロウは沢山存在しています。
しかし、翅の色がハイイロゲンゴロウは独特なので一度見たことのある人ならすぐに区別がつきます。
沢山いるゲンゴロウですがその中でハイイロゲンゴロウを見分けるのは意外に簡単です。
ミズスマシとゲンゴロウとタガメの見分け
ゲンゴロウと間違えられやすい昆虫としてミズスマシやタガメが挙げられますが、これらの水生昆虫に関しても日本では翅の色が灰色のものはいないようです。
ですから、ハイイロゲンゴロウは他の水生昆虫と見間違えることもあまりないと言えるでしょう。
参考までにミズスマシやタガメとの見分け方をご紹介しておきます。
ゲンゴロウの特徴と見分け方
ゲンゴロウ類は水の抵抗の少ない流線型の体型をしています。
効率よく水を掻くことができるようにブラシ上の毛の生えた長くて太い後脚を持っていて、水中で呼吸用の空気を貯めることのできる構造や遊泳に非常に適した体の構造を持っています。
基本的には肉食性で詰めのある前足と中脚で獲物を捕獲します。
ほとんどの種で飛翔能力もあり、水系間を移動することも出来ますが一度上陸してからしか飛び立つことはできません。
ナミゲンゴロウは体長が30~40㎜ほどで、ゲンゴロウ類の中では最大級ですから、ミズスマシと比べると体長はかなり大きく見分けがつきます。
しかし小さい種類のコガタノゲンゴロウなどは体長が20㎜前後なので一見ミズスマシと間違えることもあります。
ミズスマシとの大きな違いは捕食方法と脚の長さや特徴です。
ミズスマシの脚は前足が非常に長く、中脚後脚が短くなっていますがゲンゴロウの場合は後脚が長く、ブラシ状になっています。
捕食の方法もゲンゴロウは水中で獲物を捕食しますが、ミズスマシの場合は水面に落ちてきた昆虫を捕食します。
タガメの特徴と見分け方
タガメもミズスマシも同じ水生昆虫ではありますが、大きさが明らかに違っています。
タガメの体長は50~65㎜。メスの方が大型でオスで60㎜以上になるものはほとんどいません。
体色は暗褐色で若い個体には黄色と黒の縞模様があります。
前肢が強大な鎌状になっていて、獲物を捕獲するための鋭い爪も備わっています。中・後肢は扁平で遊泳の為に使われます。
ミズスマシ、ゲンゴロウと同じく肉食性で魚やカエル、水生昆虫などを捕食し、時にはヘビやカメなどの爬虫類やネズミなどの小型哺乳類も捕食します。
ミズスマシとは明らかに大きさの点で違いがあることがわかりますし、脚の大きさや長さで区別がつきます。
ハイイロゲンゴロウのまとめ
ハイイロゲンゴロウの体色は灰褐色、他のゲンゴロウとは翅の色で区別がつく。
他のゲンゴロウと違い水中から飛び立つことができる。
(ライター ナオ)