ハキリバチはちょっとユニークな巣をつくるハチ。

葉っぱをちぎって持っていきますが、決してそれを食べているわけではなく、巣作りの材料として使います。

 

その葉でフラワーアートのような見事な筒状の巣をつくるハキリバチ。

そんな職人さんのようなハキリバチについて、特徴と見分け方をご紹介します。

ハキリバチの特徴

ハキリバチとはハチ目ハキリバチ科に分類される昆虫です。

また、ハキリバチ科に分類されるハチの内メスが植物の葉片を使って巣をつくる種類をいうこともあり、その特性を持つ種類は大部分がハキリバチ属に分類され、日本には25種類が分布していると言われています。

小型~中型のハナバチで、体は比較的短くて太く頭部は大きいのが特徴です。

メスの大顎は葉を切断するのに適した構造になっていて、これで葉を円形もしくは卵形に切り取り、枯木の穴、壁の隙間などにびん状の小室を数個重ねて巣を作り、その中に幼虫のエサとなる花粉や蜜を蓄えてその上に卵を一つ産み付け、最後に葉で蓋をします。

メスの腹部下面には花粉採集用のはけ状集粉毛があります。

オオハキリバチ

オオハキリバチは大型のハナバチで巣を松脂で作る習性があります。

中国、台湾、朝鮮、日本では北海道から奄美大島にかけて広く知られ、沖縄や八重山での報告があり、アメリカ東部やヨーロッパ南部に移入種として侵入し分布を拡大しつつあります。

 

名前の通り大型のハナバチで体長はメスで20~25㎜、オスでは13~20㎜程。

全身が黒く、胸部と腹部第1節の背板に黄褐色か赤褐色の毛を密生しています。

 

翅の基部は黄褐色で先端に向かって次第に黒くなり紫紺の光沢を持ち、翅脈は黒色です。

頭部には黒くて短い毛が多く、腹部の2節以降にも黒い短毛があり、特に側面と尾端に多く生えています。

 

歩脚には黄褐色の短毛が多く、後脚内側の毛は黒色です。

オスでは頭部に黄褐色の短毛も入り、腹部末端は丸くなるのが特徴です。

 

他のハキリバチとは明らかにサイズが大きいことで区別がつきます。

オオハキリバチは8~10月にかけて発生し、オスはメスが産卵する周辺で数十党が高い羽音を立てて飛び回ります。

毒針を持ちますが、人を襲うことはほとんど無いようです。

ズグロハキリバチとオオハキリバチの見分け方

ズグロハキリバチとオオハキリバチは外見が良く似ているハチとされていますが実際ズグロハキリバチは奄美以南の琉球列島にしか分布していないので本土において実際に間違うことはありません。

日本では最大体長のハキリバチがズグロハキリバチです。

バラハキリバチ

ハラハキリバチは体長13㎜内外のハチで、日本では最も普通なハキリバチの種類です。

体色は黒色で胸部背面が黄褐色毛に覆われる普通種でバラの葉を好んでとることで知られ、害虫として扱われています。

ツルガハキリバチ

ツルガハキリバチはかつてバラハキリバチモドキと言われていた八デス。

頭頂部と中胸背板に黒色毛が混じることからこの名前が付きました。

数種類の腹切りバチでは黒色毛は無く、体長は12㎜位です。日本では最も普通にみられるハキリバチです。

ハキリバチのまとめ

ハキリバチは日本にも25種類ほど分布している。

ズグロハキリバチは日本で最大のハキリバチで奄美以南の琉球列島に分布している。

ハキリバチの中には植物の葉だけでなく松脂などを使って巣をつくる種類もいる。

 

葉っぱをくわえて飛んでいるハチを見つけら、それはおそらくハキリバチです。

皆さんもこの夏、ハキリバチを見つけたら、近くに巣がないか見てみて下さいね。百閒は一見にしかず、その仕事ぶりを観察してください。

(ライター ナオ)