春になり気温が暖かくなると共に、バッタなどの虫たちも活発的に行動を始めます。

子供と一緒に捕まえて、観察したり飼ってみたりする人も多いのではないでしょうか。

しかし、一つ心配なことがありますね。

そう、それは「寄生虫」の問題です。

虫には変な寄生虫がいるのでは?

もしかしたら人間も寄生されてしまうかもしれない!なんて不安になったりもしますよね。

そんな不安を払拭するために、今回は身近な昆虫「バッタ」に寄生する「ハリガネムシ」について紹介します。

バッタに寄生する「ハリガネムシ」とはどんな虫?

ハリガネムシとは、その名の通り針金のように細く長い体をした寄生虫です。

もしあなたがハリガネムシを見たことがないのなら、その長さと気持ち悪さに驚愕すること請け合いです。

動画などを検索する場合はかなりの覚悟を持って臨んでくださいね。

更に見た目の気持ち悪さもさることながら、ハリガネムシの怖さは寄生の仕方にもあるんです。

 

水中で生まれたハリガネムシは、まずボウフラやヤゴなどの小さな虫に寄生します。

そして次にそれらの虫を捕食したバッタなどの昆虫に寄生し、すくすくと成長。

十分に成長したハリガネムシは、宿主であるバッタを操って水辺へと誘導し、最後は用済みとなったバッタの肛門付近に穴をあけ、水の中へと帰っていくのです…。

 

普通寄生虫とは、宿主と利害一致の上で寄生していることが多いのですが、ハリガネムシに関しては完全に寄生され損です。

バッタにとってなんとも恐ろしい寄生虫であることがわかっていただけたかと思います。

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寄生されたバッタはどうなるの?

一度体内に入ってしまったハリガネムシから逃げ出すことは、果たして可能なのでしょうか。

その答えは「NO」です。

宿主であるバッタは自分からハリガネムシを吐き出したり追い出したりすることはできません。

もうあとは寄生虫の宿主としての人生を全うするしかないのです。

どういったメカニズムでバッタを操るのかはまだはっきりと解明されていないのですが、本来水が大の苦手なはずのバッタが自ら水の中に飛び込むほど、ハリガネムシのコントロールは強力なものなのです。

ハリガネムシにとっては宿主様様ですが、バッタにとっては栄養取られるわ水に飛び込まされるわ、本当に踏んだり蹴ったりです。

バッタだけではなく人間にも寄生する?

そんな恐ろしいハリガネムシ、バッタだけではなくて人間にも寄生するのか?というのが最大の不安ポイントですよね。

ちょっと昔話になるのですが、私が子供の頃に読んだある漫画で、「人間の爪の間にハリガネムシを近づけると、そこから体内に入ろうとする」という描写を見たことがあります。

ということは、ハリガネムシは人間にも寄生する気満々なのでは!?怖すぎる!と震え上がりました。

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それからは怖くて不用意にバッタなどを触らないようになってしまいました。

が、しかし。ご安心を。

ハリガネムシが寄生虫として人間に寄生することはありません。

一度バッタなどの宿主から出て行った(=成長した)ハリガネムシは、もう後は交尾をして子孫を残すだけですので、再び寄生虫生活に戻ることはありません。

寄生する必要がないのですから。

そもそも先に魚やカエルなどに食べられてしまうことも多いのですが、この場合は普通におなかの中で死ぬか、吐き出されてさようならです。

 

人間でも同様です。

もしも万が一、ハリガネムシが口に入るようなことがあっても、バッタのように脳をコントロールされるなんてことはありえないので安心してくださいね!

人間から出てくることもごくまれに…

ハリガネムシが自ら人間を宿主として寄生することはありませんが、本当にごくまれに、お腹の中からハリガネムシが出てきたという事例が存在します。

バッタのようにお腹の中が食い荒らされたり脳をコントロールされることはありませんが、ハリガネムシがお腹から出てくるなんて、一生のトラウマものですよね。

そんなことになりたくなければ、川に遊びに行った時など、水を飲まないように注意してくださいね。

遊んだ後もきちんと手を洗うなどしていれば、ハリガネムシを吐き出すようなことにはなりませんので大丈夫です。

(ライター名 もんぷち)

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