身近な草むらの生き物、バッタ。
子供の頃はよく、公園の草むらなどで競って捕まえたものですが、大人になってからはすっかりご無沙汰な存在になってしまいました。
〇〇十年以上経つ今でも手についてなかなか取れなかった醤油のような茶色いツユのことは忘れませんが、実は醤油のようなあの液体がバッタの未消化のゲロだと知ったのは随分大きくなってからでしたが・・・・
まあそんなことはおいておいて、今回はバッタの生態と寿命に関するお話です。
バッタの特徴と生態
バッタは熱帯や温帯の草原や砂漠地帯に広く分布しています。
バッタとはバッタ目バッタ亜目に分類される昆虫の総称です。
イナゴもバッタに含まれますが、地域によっては明確に区別するところもあるようです。
大きく2つに分類すると、地上性のバッタと植上性に分けられ、植上性のバッタには爪の間に吸盤状の器官が発達していて、これで植物にしっかりとしがみ付くことが出来ます。
例えばガラスのようなつるつるとしたところでも吸盤を使って歩き回ることができるというわけ。
これに分類されるのがトノサマバッタやカワラバッタ、ヒナバッタ、マダラバッタなどが含まれます。
もう一方の地上性のバッタは吸盤のような器官はなく、あったとしても痕跡だけにとどまっています。
これに分類されるのはショウリョウバッタやコバネイナゴ、オンブバッタ、フキバッタなどです。
昆虫の中でも特に後脚が大きく発達していて、後ろ足で体長の何十倍もの距離をジャンプすることが出来るのがバッタの特徴。
体型は前後に細長く、触角は短めです。
胸部と腹部の間に耳が一対あり、オスよりもメスの方が若干大き目。
口は大顎が発達していて、植物の葉をかじり取って食べるのに使います。
多くの種類ではイネ科やカヤツリグサ科の植物を食べる植物性ですが、葉の広いフキやクズなどの植物を食べるものもいて、植物以外にも昆虫の死骸などを食べる雑食性のものもいます。
オスが鳴く種類では翅と後ろ足を擦り合わせて音を出していて、繁殖時期になるとその声が盛んに聞こえるようになります。
また、飛びながら音を発するバッタでは前後の羽根を打ち合わせながら音を出しています。
バッタは不完全変態で、夏から秋にかけて交尾をし、メスは地中に腹部についている産卵管を指して産卵します。
産卵時には粘液性のある液体と一緒に産卵し、時間が経つとその泡が卵嚢の役割をし、乾燥や季節の変化から卵を守る役割を果たします。
卵の状態で越冬した卵は春に孵化し、幼虫が地表に出てくると最初の脱皮を行います。
幼虫の頃は翅がなく、脱皮を繰り返して大きくなるうちに翅が生えてきます。
最後の脱皮を終える頃には雌雄共に性成熟し、メスの腹部の先端には硬い産卵管ができるのです。
バッタの寿命
そんなバッタたちの寿命は一体どれくらいなのでしょう?
ショウリョウバッタのほとんどは冬を越す前に死んでいきます。
つまり、ほぼ1年というのが平均的なバッタの寿命です。
昆虫としてはいたって標準的ですが、もっと短い寿命のバッタもいて、それがトノサマバッタ。
トノサマバッタは1年に2回成虫の発生する時期があります。
春に産卵された卵は1か月ほどで孵化し、夏には成虫を見ることが出来るというわけ。
その成虫が秋に産卵した卵は卵のまま越冬します。
つまり、トノサマバッタのサイクルは通常のバッタよりも早く、寿命もそれだけ短いということ。
3~4か月というのがトノサマバッタの寿命なのです。
ツチイナゴは成虫のまま越冬することが出来るようですが、春に産卵するとすぐに死んでしまうので、寿命もほぼ1年ということになります。
バッタの寿命に関するまとめ
バッタとはバッタ目バッタ亜目に分類される昆虫。
日本にはノサマバッタやカワラバッタ、ヒナバッタ、マダラバッタ、ショウリョウバッタやコバネイナゴ、オンブバッタ、フキバッタなどが生息している。
バッタの寿命は1年。トノサマバッタは短く、2~3か月。殆どのバッタは越冬することが出来ないが、ツチイナゴは成虫のままで越冬することが出来る。
(ライター ナオ)