初めて聞いた人にとっては一体何の昆虫なのか想像もつかない名前、ダビドサナエ。
実はこれトンボの仲間でダビドはフランス人の生物学者の名前に由来するもの。
そんなちょっと変わった名前を持つダビドサナエの特徴や見分け方について詳しくお話します。
タビドサナエの特徴と生態
タビドサナエはサナエトンボ科のトンボの一種で日本特産種のトンボで本州、四国、九州に分布し、平地の丘陵地や山地の渓流に生息し、幼虫は河川の中流域で羽化し、成熟するにつれ上流に移動します。
成虫の体長は42~49㎜程度でサナエトンボ科の中ではやや小型の部類に入ります。
胸部側面にはっきりとした黒筋が2本入り、幼虫は幅広・扁平で典型的なサナエトンボ型の体型をしています。
成虫は4月下旬ころから羽化が始まり、7月上旬ころまで見られますが羽化後は水域近くの林縁などで摂食活動を行います。未熟木は複眼が薄い緑色ですが、成熟するとコクのある緑色に変化します。
成熟個体は小規模で水質の綺麗な河川の上流域から中流域にかけて流れの近くの葉の上などによく静止しています。
オスは流域の石の上などで縄張りを形成し、メスを見つけるとすぐに交尾をします。産卵はメスが単独で空中をホバリングしながら卵を落下させる方法で行われます。
幼虫は落ち葉や砂泥などに棲んで他の水生昆虫などを捕食し、成虫になるまでには2年程かかります
サナエトンボ科のトンボ
サナエトンボ科のトンボは中型から大型のトンボが多く、比較的しっかりした体をしています。
腹部は円筒形で普通は黒字に黄色、あるいは黄緑色の斑紋を持っていて、一見オニヤンマ科のトンボと見間違えられやすいですが、頭部がヤンマなどよりも扁平でイトトンボに似た形状をしています。
胸の背側には明瞭な八の字状の模様があり、腹節の上部には明色の紋があります。
飛ぶことはできますが実際は止まっていることの多い種類が多く、なわばりを守るときも枝先などに止まって見張るものが多いとされています。
ダビドサナエの雌雄の見分け方
ダビドサナエの雌は胸部の2本の筋が特徴です。春早くに渓流息に出現し、葉や石の上で縄張りを張りますが場所への執着はあまりないのだそう。
一方メスはオスとは違い腹部の黄斑が特徴的です。羽化して色がつき始めたころのメスは黄色の体色が綺麗です。
クロエサナエとダビドサナエの見分け方
ダビドサナエは成熟すると黄色い模様がやや水色を帯びた色になってきます。腹部第10節の両脇が突出するのも特徴的。
クロサナエとはとても良く似ていますが、複眼と翅胸の間を前胸と呼び、前胸背面の左右に黄色い斑点があるのがダビドサナエでないのがクロサナエです。
また、翅胸部の2本目の黄色条が下の方まで伸び、先端部分がぐにゃぐにゃしているのがダビドサナエ。
クロサナエの2本目の黄色条は下までの伸びず、途中で途切れたような感じになります。
更にダビドサナエの前脚、中脚、後脚の付け根部分に黄色斑があるのがダビドサナエで黄色斑が中脚付け根にしかないのがクロエサナエです。
ヒメクロサナエとダビドサナエの見分け方
ヒメクロサナエは日本特産種で体長は45㎜程度の小型のサナエトンボです。体型的にはとてもダビドサナエに似ていますが、ヒメクロサナエの特徴は胸部に太い黒条が1本ある事。
成虫は4月下旬から6月ごろまで見ることができます。
ダビドサナエのまとめ
まるでオニヤンマのような模様をしたダビドサナエ。もしかしたら私もオニヤンマの小さい奴だと思って見過ごしていたダビドサナエが沢山いたのかもしれません。
オニヤンマに劣らず強そうな名前の付いた!?ダビドサナエ。またどこかで会えれば・・・・
(ライター ナオ)