トラマルハナバチというハチをご存知でしょうか。

マルハナバチと一区切りにしてしまいがちですが、実は色々と違う点があって、それぞれの特徴を持ちながら皆生きています。

今回はトラマルハナバチについて詳しくお話します。

トラマルハナバチの特徴

トラマルハナバチはミツバチ科マルハナバチ属に分類され、本州、四国、九州に分布し、平地から低山に生息しています。

体長はオスが16~19㎜、女王バチは20~26㎜、働きバチは10~18㎜の比較的大型で胸部はオレンジ色の毛が生え、腹部は前半分がオレンジ、先端は黒い毛が生えていて全体的にふわふわとした印象があり、可愛らしく見えるハチでもあります。

 

林床の地中にあるノネズミ類の坑道を利用して営巣する社会性のハナバチで規模は10~20匹と言われます。

メスは地中で越冬し、来春に単独で営巣を開始します。

 

オスは秋に出現し活動期間が長いので多数の顕花植物を訪れますが途中で寄生者が加害者に見舞われ崩壊する巣も少なくありません。

活動期間は長く、4月下旬~11月上旬にかけて。

 

日本に広く分布するマルハナバチの中では最も口吻の長いマルハナバチで、その長さは大マルハナバチの倍以上に達し、この口吻を利用してツリフネソウ、キバナアキギリなどの蜜や花粉をエサとしてます。これらの花はトラマルハナバチ媒花と呼ばれ、トラマルハナバチだけに受粉を依存しています。

 

また、口吻の長さだけでなく非常に毛深いので体に花粉がつきやすく、花粉の媒介にはとても役に立ちます。

東日本ではコマルハナバチと共に低地では最も目立つマルハナバチのひとつで全国的に多く見られていたトラマルハナバチでしたが、近年その個体数はどの地域でも激減していると言われていて、その原因ははっきりしていません。

 

間違って巣を掘ってしまっても刺されることは稀で巣の上であおむけになり、毒針を見せて威嚇する程度ですがマルハナバチの中では最も攻撃性は強いとされています。

コマルハナバチとトラマルハナバチの見分け方

コマルハナバチは日本全国に広く分布していて、春一番に最初に現れるハナバチです。

全身が真っ黒で腹部の先端だけがオレンジ色をしています。

外見がとても派手なのでトラマルハナバチとは見た目にはっきりと違いがあり、区別がつきます。

オオマルハナバチとトラマルハナバチの見分け方

オオマルハナバチは日本全国に分布していますが西日本では方向の高い所でしか見られません。

体長は働きバチが10~20㎜、オスバチが12~19㎜、女王バチは17~22㎜ほど。頭が大きく、正面から見ると長さと幅がほぼ同じでまん丸な顔をしています。

 

全身は黒色ですが胸部と腹部にクリーム色のバンドがくっきりと入り、更に腹部の先端はくすんだオレンジ色をしています。

顔にも黒い毛が生えていてトラマルハナバチとは見た目の印象が違うので区別がつきます。

アカマルハナバチとトラマルハナバチの見分け方

アカマルハナバチやエゾナガマルハナバチは北海道にしか分布しないマルハナバチです。

なりエゾトラマルハバチとして区別されるので、間違えるとすればこのエゾトラマルハナバチとアカマルハナバチということになります。

 

全体の雰囲気がとても良く似ていますが、体色はアカマルハナバチの方が濃い鮮やかなオレンジ色で、臀部の先端に白色が入るのが特徴です。

また、渡島半島南部には生息していないと言われています。

エゾナガマルハナバチとトラマルハナバチの見分け方

エゾナガマルハナバチもまた北海道にのみ分布しているマルハナバチです。

体の大きさはエゾトラマルハナバチと同じ位ですが、全体的に黄色で旨と腹部に黒いバンドがあり、腹足は毛足の長い白い毛で覆われています。

エゾトラマルハナバチとは顔の形がやや違っていて、エゾナガマルハナバチの方が顔が面長で、その違いは正面から見るとよくわかります。