コフキコガネという昆虫をご存知でしょうか?
コガネムシの仲間であるコフキコガネ、見ていたことがあっても思わず見過ごしてしまうような地味な色合いをした昆虫ですが、今回はそんな高貴黄金について詳しくお話ししていきます。
コフキコガネ
コフキコガネはコガネムシ科コフキコガネムシ亜科に分類され本州、佐渡島、伊豆諸島に分布し、海岸から山地までの畑地や芝地に生息しています。
体長は25~31㎜程で上翅が粉を吹いている様に見え、背面は黄灰色の短い剛毛で覆われています。
メスの触角は小さいですが、オスは触覚の片状部が大きく発達していて、日中は樹上で広葉樹の葉を食べ、夜間は灯火によく飛来します。
エサはコナラやクヌギなどの葉です。
幼虫は畑や芝地に棲んで、木や草の根を食べ時には被害を与えるネキリムシとしても知られていますが野菜などの植物に関しての報告はありません。
コフキコガネは京都で絶滅危惧種に指定されているほど生息数が減っている昆虫。
オオコフキコガネとコフキコガネの見分け方
オオコフキコガネは本州、四国、九州、屋久島に分布し、海岸線の砂地などに生息している昆虫です。
オオと名前が付きますが体長はコフキコガネと同じ位で25~31㎜。体色は褐色~暗褐色で体の表面に灰白色の毛を密生させています。
幼虫は開眼や河原の砂地で生活し、木や草の根をたべます。
夜行性で灯日などにも多数飛来しますが日中はなかなか見かけることはありません。
コフキコガネとの見分け方として一般的なのは体の微毛の色で、コフキコガネは黄色ですがオオコフキコガネは灰白色をしています。
しかし、この体色は光の加減で色が違って見えるたり、個体によって変異もあるので体色ので判断するのは難しいとされています。
では、どこで判断するのかというと。それは体型です。
オスの体型はコフキコガネの場合胴長で上翅の末端から尖った腹部がはみ出して見えます。一方大コフキコガネの方が体形が丸っぽく上翅の幅があり、最大幅と小楯板先端から上翅の末端の突出部までの長さの日がオスの場合1:1。これがコフキコガネのオスの場合は1:1.226ほどです。
メス同士を比較する場合は頭楯両側縁の角度を見ます。コフキコガネは両縁が先端に向かうほど明らかに狭まりますが、オオコフキコガネはほぼ平行に見えます。
オオコフキコガネは群馬県と京都府で絶滅危惧種に指定されています。
サツマコフキコガネとコフキコガネの見分け方
サツマコフキコガネは九州や屋久島、種子島などに分布しているコガネムシ科の昆虫。
平地から山地にかけての広葉樹林に多く生息しています。
体長は30㎜程で体色は黄褐色。5~8月にかけて発生します。
各種の広葉樹の葉を食害することが知られていて、特にノグルミやオニグルミなどに多くいます。夜間に灯火にもよく集まります。
コフキコガネとは背面の色合いで区別することができます。
オキナワコフキコガネ
オキナワコフキコガネは沖縄諸島以南に分布している体長25~30㎜で春先に灯火に集まります。
生息域が違うことでコフキコガネと見分けます。
コフキコガネのまとめ
コフキコガネは体から粉をふいたような体色をしているコガネムシ。
オオフキコガネとよく似ていますが、オスは体型、メスは頭楯両側縁の角度が違っています。
他にもオキナワコフキカガネやサツマコフキコガネ等が存在していますが、生息域や発生時期などで見分けることができます。
間近で見るとどのコフキコガネも顔の面積に対する目が大きく、クリンとした可愛らしい表情をしています。
皆さんもコフキコガネを見つけた時には手に取ってよく相手の目を見て下さい。
(ライター ナオ)