ウチワヤンマというトンボを見たことがありますか?

一体どこにウチワがついているのかというと・・・それは尻尾部分。

 

それじゃ仰がれへんがな!!といいたいところですが、まるでウチワのようなふくらみがあるという意味でつけられた名前。

特に仰いで温度を下げたりするわけではなりません。

今回はそんなウチワヤンマについて詳しくお話ししていきます。

ウチワヤンマの特徴と生態

ウチワヤンマはトンボ目サナエトンボ科の昆虫の一種で中国、朝鮮半島、日本、ネパール、ミャンマー、タイ、ベトナム、ロシア北東部に分布しています。

日本では本州と四国、九州に分布し、オスは水辺岸近くの枝先などに止まり、平地、丘陵地の深くて水面の開けた池や湖底が砂泥で少し汚れたような水質の湖に生息しています。

全長は70~87㎜で腹長が49~60㎜、後翅長が40~51㎜になります。

脚には黄斑があり、雌雄とも腹部の第8節には黄色を黒色で縁どったうちわ上の広がりがあることから名前のウチワがついたと言われています。

 

ちなみにウチワヤンマのヤンマは大柄な体長からついたのだとか。

成熟したオスはなわばりを持ち、水面から出た杭などの突起物の先端に静止して占有します。

交尾も同様な場所の先端で静止して行い、その後交尾の体勢のまま飛び回って産卵場所になる水面の冬物を探し、見つけると連結を解いて産卵します。

 

産卵はメスが単独で行い、ホバリングを死ながら腹部の先端で完結的に浮遊物を打ち、卵は糸で連なっています。

卵の期間は1~2週間程度で幼虫で1~2年を過ごします。

幼虫は水深の比較的深い場所で生活しています。

 

国際自然保護連合では軽度懸念の指定を受け、日本でも長崎県、東京都の南多摩、西多摩でh絶滅危惧種Ⅱ類に、宮城県、長崎県、高知県、熊本県、宮崎県では準絶滅危惧種に指定されています。

他、希少野生生物の指定や一般保護生物としている県などもあります。

タイワンウチワヤンマとの見分け方

タイワンウチワヤンマは内ヤンマと同じサナエトンボ科に分類され、中国、香港、ラオス、ミャンマー、ベトナム、台湾、日本では九州南部、四国南部、南西諸島などに分布していますが近年は北東方向に分布が拡大していると言われ、少し汚れた水質の環境にも生息しています。

 

全長は70~81㎜、腹長48~56㎜、後翅長38~46㎜とウチワヤンマとほぼ同じ大きさ。

成熟したオスは水辺の食部の上に静止してなわばりを占有し、時々飛び回りながらパトロールを行います。

 

産卵の様子はウチワヤンマと同じでメスは単独で産卵します。

ウチワヤンマとの違いはウチワ部分が黒いこと。ウチワヤンマはウチワ部分が黄色く、黒い縁取りがありますが、タイワンウチワヤンマは真っ黒です。

コオニヤンマとの見分け

コオニヤンマもまたサナエトンボ科に分類されるトンボの一種。

中国、朝鮮半島、極東ロシアまで東アジアに分布し、日本では北海道から九州、更に周辺離島の佐渡島、隠岐諸島、五島列島、対馬、種子島、屋久島まで見られますが北海道や各地の山岳地帯などでは分布が限られています。

 

成虫の体長はオスが全長81~93㎜、後翅長が46~54㎜、メスが全長75~90㎜、後翅長48~62㎜でサナエトンボ科の中では日本最大種です。

身体の大きさに比べて頭が小さく、後脚が長いのが特徴で未熟木は複眼が羽化緑色ですが成熟するとスンダ緑色に代わるのも特徴。

ウチワヤンマとは模様が似ていますが、ウチワ部分の有無ですぐに区別することができます。

ウチヤンマのまとめ

尾部にウチワのようなふくらみのあるウチワヤンマ。

模様を見ただけではオニヤンマにも似ていて、一気にテンションが上がりそうです。見分け方はウチワの有無がポイントです。

(ライター ナオ)