日本にも数多く生息しているエンマムシをご存知でしょうか。

凄い名前の昆虫ですが、意外にもその生態は地味!?なもの。

今回はそんなエンマムシについて特徴や見分け方などを詳しくお話していきます。

エンマムシ上科の特徴

エンマムシは甲虫目エンマムシ上科エンマムシ科エンマムシ亜科に分類されるある1種類の甲虫です。

エンマムシ上科に分類される成虫の体長は数㎜~1㎝程しかない小型の昆虫。成虫はずんぐりとした丸い体形で触角は短く、先端が膨らんでいます。

脚はとても短く頸節に歯棘があり、一見小型の糞虫にも似ています。

 

動物の死体などの腐敗動物質や糞便に飛来する種類が良く知られ、閻魔虫の名前もそこからきていると言われています。

しかし、実際は糞などの腐敗有機物を食べているわけではなく、そこに発生するクロバエなどのハエの幼虫を捕食しています。

また糞に飛来しない種類もいて、それらは様々な獲物を捕食し生きています。

エンマムシの特徴

エンマムシ上科の中で最大のエンマムシ科は11種類で世界には3,800種類ほどが生息していると言われていて、エンマムシ上科の3つのエンマムシダマシ科、エンマムシモドキ科、エンマムシ科の中で最大と言われています。

 

体長10㎜ほどで体表は光沢のある黒色をしています。上翅には7本の条があり、内側の2条は翅の先端部だけに入ります。

死体に集まりハエの幼虫を捕食し、日本では九州以北に分布していて、日本以外では朝鮮半島や中国に分布しています。

エンマムシの種類や他の昆虫との見分け方

オオヒラタエンマムシ

オオヒラタエンマムシはエンマムシ科エンマムシ亜科に分類され、九州からシベリア東部まで分布しています。

体長は11㎜程。和名通り平たくて前後にやや長い長方形の体型をしているのが特徴です。

 

エンマムシよりも大顎が長く前に突き出ていて、樹皮下に潜んで他の小昆虫を捕食しますが、樹液にも集まってきます。

エンマムシとは生息域や食性が違うことと、大顎で見分けることができます。

ホソエンマムシ

ホソエンマムシはホソエンマムシ亜科に分類され、日本から台湾まで分布しています。

体長は5㎜程と小さく、和名の通り前後に細長い体形をしているのが特徴です。

 

朽木の樹皮下でキクイムシ類などの小昆虫を捕食しています。

頭部には一対の角があり、大顎が頭部に垂直についています。

アリクイエンマムシ

アリクイエンマムシは和名の通りクサアリ類の巣に現れてアリの成虫を捕食します。

生態が違うことでエンマムシと見分けることができます。

キノコアカマルエンマムシ

キノコアカマルエンマムシは本州、四国、九州に分布していて体長は3から4㎜程。

成体の体は褐色で丸っこく上翅の根元がやや赤っぽくなっていて上翅の基部に黄色い斑紋があります。

 

サルノコシカケ類に集まります。

エンマムシとは体表の色や模様が違うこと、生態も違うことで見分けることができます。

マダラクワガタ

マダラクワガタは体長5㎜程で世界最小のクワガタです。

北海道から九州までの比較的標高の高い所に生息しています。

 

褐色腐朽の進んだ多湿な広葉樹の朽木によく見られますが体が褐色で楕円形であることから赤くされの木くずと見分けがつかないことも多いようです。

触角の形がエンマムシとは違うことと生態が違うので生息場所が違うことで区別がつきます。

エンマムシのまとめ

いかがでしたでしょうか。エンマムシの世界は実はかなり広く、種類も多いのですが他の甲虫に比べて私たちの普段の生活の中ではあまり馴染みのない昆虫です。

山登りや森林浴などを楽しみに出かけた時には皆さんもぜひ、エンマムシを見つけてみて下さい。

(ライター ナオ)