コガネムシと言えば、ツヤツヤとしたメタリックカラーというイメージが強いですが、じつはとっても地味で渋いカラーリングのコガネムシもいます。

それが「コフキコガネ」。

 

コフキコガネは、一体どんな特徴がある昆虫なのか、詳しく見ていきましょう。

もしかしたら、コガネムシと認識していないだけで、一度は見たことがあるかもしれませんよ。

コフキコガネの特徴って?

コフキコガネは、その名の通り「粉が吹いた」ような見た目をしているコガネムシです。

体色は茶褐色で、全身に粉のように見える細かな毛が生えているのが特徴。

大きさは2.5㎝~3cm程で、国内に生息するコガネムシの中では、やや大型な部類に入ります。

パッと見はとても地味で、「カブトムシのメスかな?」と勘違いしてしまいそうな姿ですね。

 

甲虫特有のツヤツヤした感じがなく、全身に粉が吹いているように見えたら、それはコフキコガネの可能性が高いです。

しかし…コフキコガネとよく似たコガネムシで、「オオフキコガネ」という種類が存在します。

 

コフキコガネとオオフキコガネはとてもよく似ていて、写真などでは簡単には見分けがつかない、と言われるほど。

両者を見分けるポイントとしては、体に生えている微毛の色が一つ。

 

黄色っぽい場合はコフキコガネ、灰色っぽい場合はオオフキコガネです。

体色も、オオフキコガネの方が濃いと言われています…が。

 

毛の色や体色は光の加減や個体差でも変わってくるので、あまり当てにはできません。

そこでもう一つ確認したいポイントが、体型です。

 

コフキコガネはオオフキコガネに比べると、ややスリムで翅が長い傾向があるようです。

特にオスでは違いが良く出ているようなので、体色や毛の色で分からない場合は、体型も参考にしてみましょう。

ちなみに、雌雄の見分け方については、触角が大きいのがオス、小さいのがメスになります。

コフキコガネの生態

コフキコガネは、主に本州でよく見られる昆虫です。

成虫の出現時期は6月から8月頃にかけてで、コナラやクヌギなどの葉を主な餌としています。

そのため、日中はそれらの樹にひっついていることが多く、夜になると灯火などにも飛来。

初夏から夏頃にかけては街灯など飛来する姿がよく見られます。

(道路の脇などで、行き倒れている姿もよく見かけます。)

幼虫は土中で植物の根を食べてしまうので、害虫として扱われることも。

面白いコフキコガネの仲間たち

コフキコガネ亜科には、他にもちょっと変わった仲間たちがたくさんいます。

ここではその中から、いくつか紹介して行こうと思います!

ヒゲコガネ

ヒゲコガネはコフキコガネのように粉が吹いたような見た目ではなく、茶褐色に細かな白い斑点があるのが特徴的なコガネムシ。

しかしそれよりも目を引くのは、オスの持っている大きな触角。

 

まるでヒゲのような、モグラの手のような大きな触角は、かなりインパクト大です。

一度見たら忘れられない昆虫でしょう。

アカビロウドコガネ

アカビロウドコガネは、赤くて丸っこい、とても可愛らしいコガネムシです。

体はコフキコガネと同じくマットな質感ながら、上質なビロードのようなツヤも合わせ持っています。

北海道から九州まで広い範囲に生息。

アシナガコガネ

アシナガコガネはその名の通り、肢(特に後肢)がとても長いコガネムシ。

体長は5㎜~8㎜ほどと小柄ながら、後肢の長さは体長と変わらないくらいあります。

体色は緑色を帯びた黄褐色ですが、その表面はコフキコガネと同様、細かい毛で覆われています。

コフキコガネについてのまとめ

コフキコガネは、体中に粉が吹いたような、マットな質感をしたコガネムシです。

その仲間はたくさんいて、美しいものやインパクト大のものまで様々。

よく似ているオオフキコガネと見分けるのはちょっと難しいので、見つけたらよーく観察してみましょう!

(ライター もんぷち)