チョウは虫の中でも優雅で美しい存在というイメージを持っている人も多いと思います。

至近距離で本体を見てみるとチョウであっても昆虫らしい見た目をしていますが、遠くから見る分にはパタパタと翅を羽ばたかせるキレイな昆虫です。

日本国内だけでも数多くのチョウが存在していますが、ルリタテハというチョウはひときわ目立った翅を持っています。

ルリタテハの翅について

チョウの中でもタテハチョウ科に分類されます。

タテハチョウ科に共通する性質として、翅の形がでこぼこになっていることや濃く鮮やかな色合いをしていることが多いということです。

 

また翅の表と裏で模様が異なっていることも多いです。

ルリタテハはこのどちらの性質も備わっており、翅の形、そして模様も他のチョウに比べて特徴的です。

 

「ルリタテハ」と名付けられたのも瑠璃色からきています。

ルリタテハの翅の表面は全体的に濃い紺色をしています。

 

そしてここに帯のように瑠璃色が入っています。

深みのある色で非常に美しい見た目をしていますが、裏側を見てみると全く異なる色をしています。

 

表面は大きな瑠璃色の帯が一つ入った模様ですが、裏面は比較的細かな模様が付いていて落ち葉のような見た目になっています。

実はこれには理由があります。

 

ルリタテハは他の多くのチョウと違い花にはそれほど寄ってきません。

樹液や動物の糞といった腐敗物などを訪れます。

 

そのため翅を閉じて裏面が見えたときには鮮やかな色よりも枯れた色をしているほうが身を隠すことができるからです。

実際木に止まって翅を閉じていると保護色となり瞬時にルリタテハを見つけるのは難しいでしょう。

他のチョウとの見分け方

上で言ったようにルリタテハは翅が特徴的です。

ルリタテハに似たチョウは日本にあまり存在しないため見分けるのは難しくありません。

 

ポイントはやはり色と模様、そして翅の形です。紺に瑠璃色の帯が入り、さらに形がでこぼことしています。

翅の外側にこうした特徴があるので模様と合わせて覚えておくと簡単に判別が可能です。

 

生息地も広くどこでも見られるチョウの一つと言えるでしょう。

森林内だけでなく都市部においても公園などで発見することができ、園芸などをしていれば住宅の近くでもやってくることがあります。

海外でもアジアの多くの国で生息しています。

ルリタテハの生態

チョウは知っての通り生まれた直後から飛んでいるわけではありません。

幼虫から蛹、そして成虫となっていきます。

 

それぞれに見た目が異なり、幼虫期の面影は成虫になると全くありません。

ルリタテハの幼虫は毛虫にも間違われそうなほど突起を持っており毒々しい見た目をしています。

 

実はタテハチョウ科の幼虫はほとんどが毛虫のような見た目をしており刺や角を持っていることが多いです。

ルリタテハの幼虫はサルトリイバラやホトトギスを好むため、これらの葉の上で産卵が行われ、産まれた幼虫は葉の裏側で生活していきます。

 

一方オスは縄張り意識を持っていて、自分のテリトリーに入られると攻撃的になります。

敵が見えるよう見晴らしの良い場所を陣取り、他のオスがやってくると追い出すように飛び回ります。

ルリタテハは翅で見分ける

基本的にルリタテハを別のチョウと間違えることはほとんどありません。

似ている種もあまりいません。翅の色と模様、形を見ればルリタテハであることは一目瞭然です。

 

しかしルリタテハ同士のオスとメスを見分けるとなると話は変わってきます。

ルリタテハの性別の判別は難しく違いが少ないです。

瑠璃色の帯の幅がメスのほうがやや広いため、普段から観察している人であれば判断がつきますが、一度オスとメスを比べて見ないと分からないでしょう。

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