カメムシはよく見かける昆虫ですが、栽培植物を食べたり悪臭を出すので人間からは嫌われることが多い昆虫ですね。

カメムシにもいろいろな種類がありますが、そのなかのひとつに「細長いカメムシ」がいます。彼らの正体についてみていきましょう。

人の害虫として知られるカメムシ

まず、カメムシはカメムシ目・カメムシ亜目に属している陸生昆虫です。

人間にとっては、まず農家の皆さんの栽培植物を餌にすることが多い害虫となっています。せっかく人様が作ったイネやミカンなどを食べたりするので問題です。

また、とっても臭い臭いを放つことから日本では「屁こき虫」などという、身もふたもない呼び名もあったりします。

英語でも臭い虫を表わす「stink bug」という名があるので、世界の人たちから嫌がられているのでしょう。

 

特徴的な体つきをしています。頭は三角形のようで、胴体は肩幅が広い背広を着ているような感じです(笑)。

ところで、みなさんは「細長いカメムシ」を見たことがあるでしょうか?

サシガメってどんな昆虫?

細長いカメムシの正体は「サシガメ」という、カメムシ目・カメムシ亜目でサシガメ科の昆虫です。なんとサシガメは世界で6000種類以上が確認されています。

カメムシは普通、餌は植物を食べることが多く、葉・茎・果実等に口を差し込んでその細胞の中の原形質等の液体を吸収するという、ケミカルチックな食べ方をしています。

 

しかし、サシガメは肉食です。そのため、嫌な害虫を食べてくれるということで益虫とされることもありますが、人を含めた脊椎動物を吸血することもあったり、不用意に触ると刺されることもあるそうです。これがと〜っても痛いんだそうで、後ほど説明しましょう。

 

カメムシよりも細長い体をしていて、頭部も普通のカメムシより細長く,カメムシの口は針状の口吻で胸部下に折り畳まれていますが、サシガメの口はそれよりはるかに太く短く、頭の前端〜前方に突き出て弓なりに曲がっていて、鉤状となって頭部下面に収まっています。

 

サシガメの多くが山や野に生息しています。樹上性や地上性のものもいて、それぞれが昆虫・クモ等の小さい無脊椎動物等を餌にしています。ほぼなんでも食べる広食性の種類や、偏食家の種類もいます。

 

室内で暮らしている昆虫を求め、家屋に生活する種類もいます。欧州ではトコジラミが獲物のため屋内で生息している種があって、人の血を吸うトコジラミを追い人体に近づく場合があります。

 

このとき払いのけたりすると刺されるので嫌われています。なぜか知らないけど唇を刺されることがあるので、「接吻虫」という異名もあるんだそうです。

カメムシは臭い臭いを出すけど、サシガメは出さないかと思いきや、独特の臭いを放つものもいます。

サシガメに刺されるとちょ〜痛い!

サシガメに刺されると、すんごく痛いんだそうですよ。
その痛みはなんとハチよりもすごいとか。

 

昆虫学者が首をかまれて数日間は虫捕り網が使えなかったり、中央アジアでは拷問の手段としても利用していたほどなんだそうです。

 

また、ヒトの血を吸う種もあります。中南米には吸血性サシガメが90種ほど知られていて、一部は「シャーガス病」という病原体を媒介していることも知られています。シャーガス病はリンパ節・肝臓・脾臓の腫脹・筋肉痛・心臓障害等を示す病気です。

 

厚生労働省と日赤は数年前、中南米出身の40代男性が献血した血から、中南米にある感染症「シャーガス病」の抗体陽性を日本国内で初めて確認したという発表をしています。
南米の家では、なんと何十から何百ものサシガメがいたりすることがあり、大きな問題となっています。

「ブラジルサシガメ」は、感染症を持っている代表的なサシガメの一種です。

細長いカメムシに気をつけよう

細長いカメムシの正体、サシガメについてでした。このような嫌な感じのサシガメなんですが、田畑においては害虫を食べてくれる益虫ともされています。

日本にも関東以南にいるとされているので注意してください。