暖かい季節になると動物や虫たちは活発に活動を始めて人間の前にもよく姿を現すようになります。
虫は特に夏になるとより一層発生してきます。
セミはその代表とも言える存在で、セミの鳴き声が聞こえてくることで夏を感じるほどです。
また、セミとは別にカメムシという虫もいます。どちらも知らない人がいないほど知名度の高い虫です。
カメムシの場合悪臭を出すという特徴がありセミとは見た目も全く異なる虫ですが、実は共通点もあり、関係性が無いとは言えません。
カメムシについて
ではまずカメムシがどのような虫であるのか説明していきます。
生物学上の分類ではカメムシ目カメムシ亜目に属し、さらにその中でもカメムシ科に分けられた昆虫をまとめてカメムシと呼んでいます。
次にカメムシの悪臭についてですが、これはカメムシの腹部にある臭腺からある分泌液を飛ばすことで臭いを出しています。
この分泌液を出すのは基本的に自分の身を守るためであり、外部からの刺激を受けることで反応を起こします。
こうした敵に対する直接的な役割以外にも、仲間に危険を知らせるといった効果もあると言われています。
一度分泌液を飛散させると周囲に広がるので、近くにいるカメムシがその臭いを察知し襲われる前に逃げることが可能となります。
さらにもう一つ重要なことに求愛にも使われるということがあります。
しかしカメムシの出す分泌液は自分自身にも有毒です。
自分の出した分泌液から自分の体を守るために体表には保護層が一応ありますが、求愛時には濃度を調節し、フェロモンとして利用しています。
群れの中でもこうして臭いを出すことで自分をアピールしているのです。
カメムシの食性
セミとの比較をするのに重要となるのがこの食性です。
具体的には何を食べるというよりその食べ方が関係しています。
カメムシの多くは植物を食べて生きています。
そのため農業者からすると害虫として扱われることがほとんどです。
一部肉食性を持つカメムシもおり害虫を食べてくれる種類であれば益虫とされたりもしますが、植物を餌とするほとんどの種類は口を差し込んで液を吸収するようにして食べています。
セミとの類似点
セミも大きな分類においてはカメムシと同じになります。
カメムシ目ヨコバイ亜目の中のセミ上科に属するものをセミと呼んでおり、カメムシとはカメムシ目の仲間です。
先ほど紹介したカメムシの食事方法はセミにも共通しており、この性質はカメムシ目全体に共通するものとなっています。
つまり、針状になった口を差し込んで栄養分を吸収することで食事を行っています。
実はカメムシ目という名前になっているので一般に呼ばれるカメムシだけがこれに該当すると勘違いをしてしまいがちですが、カメムシ目に分類される生物は非常に多く、セミの他アブラムシやアメンボ、タガメなどもここに属します。どれも口は細長く針状になっています。
相違点
逆にセミとカメムシにはどのような違いがあるのでしょうか。
見た目は明らかに違いますが、その他カメムシ亜目かヨコバイ亜目であるかによる性質の違いがそのまま両者の相違点となってきます。
カメムシ亜目の場合背面が甲虫のような見た目をしており、ヨコバイ亜目とは翅の見た目や収まり方に違いがあります。
また、セミに関しては周知の通り非常に大きな鳴き声を出すことができます。
これはセミに、音を発生させるための筋肉や膜、そして発生させた音を増幅させる器官が備わっていることで実現しています。
オスがメスに対してアピールするために鳴いており、求愛の仕方がカメムシと大きく異なるということが分かります。
カメムシとセミは違いも多いが仲間でもある
まとめると、生物としての構造などから広い意味で同じ仲間であると言えますが、異なる点も数多くある遠い親戚のような関係であると言えるでしょう。
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