時に大量発生し問題となるカメムシには誰もが知っている通り、悪臭を放つという特徴を持っています。
街灯や家の明かりに呼び寄せられ、多数のカメムシがガラスに張り付いている様子を見たことがある人もいると思います。
不快害虫としても扱われており、家の中に侵入された場合追い出そうと試みますが迅速に対処をしなければ悪臭を室内に放たれてしまいます。
このようにカメムシは悪臭という武器を持つことで他の虫より存在感を示してきました。
カメムシにも様々な種類がおり、よく見かけるものはアオクサカメムシやチャバネカメムシと呼ばれる種類です。
しかしこれらよりもさらに臭いカメムシにオオクモヘリカメムシという種がいます。
オオクモヘリカメムシの生態
オオクモヘリカメムシはカメムシの中でも大型になります。
成虫の場合体長は2㎝ほどにもなり、体形はやや細身です。
名前までは聞いたことのない人も多いかと思いますが、日本だけでも全国的に広く生息しています。
その他海外では中国、韓国、インドなどにも生息しています。
大きく細い体つきであることも一般的なカメムシとの大きな違いと言えますが、何と言ってもオオクモヘリカメムシは、より強い悪臭を放つことで有名です。
悪臭を武器に戦う
オオクモヘリカメムシに限らずカメムシは足の付け根部分から臭い成分を含んだ分泌液を噴射します。
このことによって敵から身を守るのです。
そのため基本的には積極的に悪臭を武器として戦いに行くというわけではありません。
敵に襲われる危険性を感じた場合、悪臭で返り討ちにしてなんとか逃げ切るという戦法です。
カメムシのこの臭いを嗅いだことのある人であれば分かると思いますが、悪臭の強さや広がる範囲は非常に広く、小さな虫が至近距離で分泌液を浴びせられると大変なことになります。
自然界において密室空間に入ることは普通ありませんが、カメムシを閉じ込めると自らの悪臭で倒れてしまうほどです。
オオクモヘリカメムシの場合こうしたカメムシの中でもトップクラスの臭さなのでその撃退効果はより期待できます。
少なくとも人間が、カメムシは臭いということを認知することであまり刺激しないようにしているのはカメムシの思惑通りの結果ということです。
人間の他、クモやカマキリなどの敵に襲われることも多いですが悪臭という武器でこれまで生き残っているのです。
ネムノキを好む
日本や近隣国に広く生息分布があるのは、ネムノキがこれらの地域に存在しているからと言えます。
オオクモヘリカメムシはネムノキを好むことが知られており、この植物の葉をよく観察すれば比較的に容易に見つけることのできる虫と言えるでしょう。
ネムノキとは、マメ科の落葉高木で、大きなものは10mを超える高さになります。
河原の近くで見かけることができます。
もしオオクモヘリカメムシを捕まえたければネムノキの特性を知ることが近道になるでしょう。
害虫としての側面
イネ科の害虫であるクモヘリカメムシと見た目が似ていることから近い名前が付けられているものの、オオクモヘリカメムシがこうした害を発生させることはありません。
多くの場合悪臭などからくる不快害虫として扱われる程度です。
しかし場合によっては果実への害が発生することもあります。
基本的にはムネノキを食料としていますが、カキやミカンといった果実の汁も吸うことがあり、果樹園などで発生した場合には駆除の必要が出てきます。
オオクモヘリカメムシは非常に臭いが危険性はない
紹介したように、まれに果実への影響が出てくることはありますが、人間にとって危険な存在とは言えません。
ただし強烈な臭いを発するので触る時には注意しましょう。
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