皆さんはドクイトグモという蜘蛛をご存知でしょうか?

肉や骨が腐るというタイトルを見て驚いた方もいるかと思いますが、大袈裟では無く本当にドクイトグモに噛まれると大変な事になるんです!

 

「ドクイトグモ 症状」などと検索してもらえれば、実際に噛まれてしまった方の写真がいくつか出てきます。(※閲覧注意の写真もあるので自己責任でお願いします)

今回はそんなドクイトグモの生態や毒の成分などについて紹介していきたいと思います。

恐ろしいドクイトグモの生態

ドクイトグモはクモ綱・クモ目・イトグモ科に分類される蜘蛛の一種です。

日本では今の所発見されていませんが、危険な蜘蛛として特定外来生物に指定されています。

 

生息地は主に米国中西部・南東部・南西部に生息しています。

ドクイトグモが好む生息環境は、比較的乾燥した暗い場所・建築物や室内・物陰など雨風の影響の無い場所などに姿を現す事が多いです。

 

ドクイトグモの巣は特徴的で、巣は粘り気があり白色や灰白色のような色をしています。

通常は人間を襲わない蜘蛛なのですが、何か警戒するような事があった時は彼らは身を守るために人間を噛む事があります。

体の色は薄黄色から薄茶色で腹部背面中央にこげ茶色をしたバイオリンのような模様があるのが特徴です。

 

この模様から『バイオリンスパイダー』なんてあだ名も付いているようです。

体長は約7mm~12mm程で、基本的に雄より雌の方が体格が良いようです。

 

体の造りは、脚は細長く胴体よりも薄い色をしていて、体には短い毛が多数生えており他の蜘蛛と違い棘がありません。

そして蜘蛛の種類では珍しい様なんですが目が6つしかありません。

毒の成分

ドクイトグモの毒の成分は「ヒアルロニダーゼ」と「スフィンゴミエリナーゼD」から出来ています。

これらの毒は神経毒では無い特殊な成分で出来ており、この毒が人間の体内に入ると血液中の赤血球・白血球、そして血管自体を破壊してしまいます。

さらに恐ろしい事に現時点でこの毒に対する解毒剤は開発されていなく、体内から毒が排出されるのをただ待つしか無いそうです…。

ドクイトグモに噛まれたら引き起こされる症状

【初期段階/0~2時間】

噛まれた周囲に異常な浮腫と紅斑が出現します。

小型の水疱が形成される場合がある。

【虚血段階/2時間~6時間後】

噛まれた部位の周囲に明らかに毒の作用である虚血域が見られるようになります。

この辺りから激しい痛みを伴うようになります。

【チアノーゼ段階/5時間~12時間後】

虚血部が少しづつ赤色から青黒くなってきます。

血管収縮の拡大と局所組織の酸素欠乏が伴い、噛まれた周囲に出血や紅斑を生じ酸素欠乏の進行拡大に伴い無感覚になってきます。

全体的に浮腫性となり、四肢の場合はリンパ管炎を起こす事もあります。

【組織破壊段階/12時間以上】

組織の酸素欠乏から局所組織の破壊と壊疽が進行していきます。

通常組織破壊段階に入ると病変部は完全に無感覚になり、25%の患者が24時間~48時間のうちに全身に症状が現れるようになります。

 

主な症状は中等度の発熱・嘔気・不快感、重症になると嘔吐・関節痛・せん妄・ショック状態・昏睡になり全身に麻疹様髞瘙痒性や出血性皮疹が出現し始めます。

重症になりやすいのは小児が多いそうで、全身症状を伴う場合は2~3時間あるいは数日で溶血が起こると言われています。

ドクイトグモについてのまとめ

今回はドクイトグモについて紹介しましたが如何でしたでしょうか?

日本では聞きなれない見慣れない蜘蛛なので馴染みはありませんが、恐ろしい蜘蛛だという事は十分お分かり頂けたかと思います。

海外旅行に行く際は気を付けて下さいね。

ライターMISAKI