ギザギザとした葉っぱが特徴的な「柊」。
漢字で書くと木偏に冬なので、冬の季節の植物というイメージがありますね。
だけど夏や秋にも見かけることはあります。
今回は柊の季節について、そしてその生態に関する豆知識などをまとめてみました。
柊の季節っていつ頃?
柊は常緑樹なので、一年中葉っぱが茂っている姿を見ることができます。
一般的には「花が咲く季節」がその植物の季節と言われることが多いのですが…みなさんは、柊の花って見たことがありますか?
なんとなく印象が薄くて、「あれ…花なんて咲いてたっけ?」と思われることすらあるでしょう。
園芸店などでもいつでも売られているので、「どの季節の植物なのか?」というのが、ちょっとわかりづらいですよね。
柊は11月から12月の間に、小さな白い花を咲かせます。
この花はキンモクセイの花にソックリ!
というのも、柊はキンモクセイと同じモクセイ科の仲間なんです。
しかも見た目だけではなくて、においもキンモクセイのような良い香りがするんですよ!
今まで花なんて見向きもしなかった、気付かなかった、という人は、花を見つけてチェックしてみましょう。
「柊の花」は、俳句においては初冬の季語として使われます。
「花柊(はなひいらぎ)」「柊咲く」という言い回しもOKのようです。
「ひいらぎ」単体では季語にならないので、もし使う場合は気を付けてくださいね。
以上のことから、柊の季節は「冬」ということで間違いなさそうです!
柊ってこんな植物!
柊は誰もが名前を知っているし、見たこともあるほどメジャーな植物です。
しかし、詳しい実態については知らない人も多くいるでしょう。
そんな人たちのために、ここからは意外に知られていない豆知識などをご紹介します!
クリスマスの柊は違う植物!?
柊と言えばクリスマスのイメージが強いですよね。
ギザギザの葉っぱと赤い実の組み合わせは、クリスマスモチーフとしても鉄板です。
しかしおかしいと思いませんか?
12月はまだ花の季節なのに、なぜ赤い実とセットでモチーフにされているのか…?と。
じつはクリスマスによく見かけるのは、「セイヨウヒラギ」という全く別の種類なんです。
そのため開花時期も結実の時期も異なるというわけですね。
「でも、同じ仲間でしょ?」と思われるかもしれませんが、なんとセイヨウヒイラギは柊とは全く別の植物なんですよ!
柊はモクセイ科ですが、セイヨウヒイラギはモチノキ科。
見た目こそ似ていますが、分類からして完全に異なる種類だったのです。
年をとると葉が丸くなる
柊と言えばトゲトゲの葉っぱが特徴的ですが、年を重ねたものはどんどんトゲがなくなり、丸い葉っぱになるのです。
元々なぜ葉にトゲがあるのかと言うと、シカなどの動物に食べられないように身を守るため。
年月を経て大木となったものは食べられる心配もなくなるので、トゲがいらなくなったというわけですね。
大きな柊の木をよく観察すると、地面に近いほどトゲが多く、上にいくほどトゲが少なくなっているのを観察することもできますよ。
年をとると丸くなるのは、人間と同じですね。
最強の魔除け?
節分の時には、柊に鰯の頭を刺した飾りを玄関に飾っておくという風習がありますね。
鬼は葉っぱトゲや鰯のにおいを嫌うことから、魔除けの意味で飾られています。
(どうでもいいですが、あれはなかなか前衛的な見た目ですよね…)
クリスマスにセイヨウヒイラギが飾られるのも、悪魔を寄せつけないためだと言われています。
このようにトゲのある葉には魔除けの効果があるとされていて、風水的にも鬼門の方角に柊のようなトゲのある葉を持った植物を植えることで、悪いものが入って来なくなると考えられているそうです。
柊についてのまとめ
柊はその名の通り、冬の植物です。
しかし意外にも寒さには弱いので、元気できれいな花を咲かせるためには、寒さ対策をしっかりしてあげましょう。
(ライター もんぷち)