こたつにあたり、袢纏を着てみかんを食べるという光景は一般的な日本の冬の家庭の風物詩です。

子供の頃は手が黄色くなるほど食べて怒られたり、みかんの皮と実を使って色々な遊びをしたりしたもので、とにかく愛着と馴染みの深い食べ物であるみかん。

今回はそんな、一部の世代に葉ソウルフードと言っても過言ではない!?みかんについて詳しくお話ししていきます。

みかんの特徴

みかんはミカン科の常緑低木または果実の事で、日本で現在最も多く栽培されているのは温州みかんです。

中国の温州にちなんでウンシュミカンと命名されましたが、温州原産ではなく日本の不知火海沿岸原産と推定されています。

主に関東以南の暖地で栽培され、温暖な気候を好みますが柑橘類の中では比較的寒さに強いのも特徴です。

日本で生産されているみかんのほとんどはカラタチの木に接ぎ木したもので2~4mの高さに成長します。

カラタチは台木としての成長が早くミカンとの活着が速いので接ぎ木してから実をならすまでが早いと言われています。

 

しかし、根が浅く、土壌の浅い所には不向きだったり、寿命が25年程と短いのも特徴で、しっかりと根を張らせるために柚子の木も接ぎ木に使われることもあります。

果実は品種により9~12月に熟します。

単為結果性で受粉が無くても結実し、受粉したとしても種子は生じにくく種なしに育ちます。

みかんの花の季節

みかんの花は5月上・中旬ころに3㎝ほどの白い5つの花びらをもった花を咲かせます。

開花の期間は2~3週間ほどでジャスミンのような香りを放って、周辺を歩くと心地よい香りが漂い、植え付けから3~6年程で結実するのが一般的です。

みかんの花言葉

みかんには純潔、清純、親愛、花嫁の喜びなどの花言葉があります。

純潔や清純の花言葉は初夏に咲く白い花のイメージからきていると考えられますが、親愛や花嫁の喜びはヨーロッパでオレンジの花が花嫁の守り神とされていることに由来します。

温州みかんの種類

温州みかんの種類は実に多くの種類があります。系統別に分けると次のようになります。

極早生温州は9~10月頃にかけて収穫される品種で、1970年代に発生したオイルショック以降、ハウス栽培における石油消費量を減らす目的で研究が進められるようになり、近年は少々生産過剰気味と言われています。

 

早生温州は10~12月にかけて収穫され、比較的単価が高いみかんで、中性温州は11~12月に収穫される品種です。普通温州は11月下旬~12月にかけて収穫され、特に遅く出荷される品種は晩生温州として扱われています。

みかんの歴史

みかんを含む柑橘の原種は3000万年前のインド東北部のアッサム地方近辺と言われています。

ここを拠点に様々な種に分化しながらミャンマー、タイ、中国島へ広まったとされ中国においては古くから栽培が行われていました。

最初に日本に広まったのはキシュウミカンで、初めは中国との交易港である八代で栽培されていたものが朝廷に献上され、後に15~16世紀頃有田軍に移植され一大産業に発展したと言われています。

 

現在主流となっているウンシュウミカンは江戸時代後期になって栽培されるようになり、1894年頃から徐々に生産量が増え、キシュウミカンにとって代わるようになったと言われています。

 

近年1970年代頃から増えたアメリカからの輸入オレンジの影響でみかんは生産過剰になり、政府がみかん栽培の縮小方針を発表し手からはみかんに変わる他のかんきつ類栽培が拡大しています。

同時に日本国外への輸出拡大が試みられていて、主な輸出先だった北米の他にも香港や台湾などのアジア諸国への輸出も始まっています。

(ライター ナオ)