ポパイのように強くなるにはほうれん草!と言っていた時代はもう遥か昔の事でしょうか。
年配の世代には栄養食の代表であるほうれん草ですが、そんなほうれん草について詳しくお話します。
ほうれん草の特徴
ほうれん草はヒユ科アカザ亜科ホウレンソウ属に分類される野菜で雌雄異株です。
高温下では生殖生食成長に傾きやすくなるので冷涼な地域、もしくは冷涼な季節に栽培されることが多く、冷え込むと柔らかくなり味が良くなります。
ほうれん草栽培の歴史
ほうれん草の原産地は中央アジアから西アジア、カスピ海南氏柄部近辺とされていますが野生種は発見されていません。
初めて栽培されたのはアジアでおそらくペルシア地方だったと言われています。
ヨーロッパへは中世末期にアラブから持ち込まれ、他の葉菜類をしのいでもっとも一般的な野菜になりました。
東アジアにはシルクロードを通って広まり、中国には7世紀頃、日本には江戸時代初期頃に東洋種が渡来しまし、伊達政宗もほうれん草を食べたと言われています。
19世紀後半には西洋種が持ち込まれましたが普及せず、大正末期から昭和初期にかけて東洋種と西洋種の交配品種が作られ手から日本に各地に普及するようになりました。
ほうれん草の品種と旬
ほうれん草の旬は11~2月。
特に冬場のほうれん草は甘みが強い事でも知られています。
日本では西洋種と東洋種の2種類が栽培されていますが、東洋種は病気や寒さに弱く虫がつきやすいので栽培が難しく、ここ数十年の間に急速に西洋種や西洋種の一代雑種にとってかわり、現在のほうれん草のほとんどが西洋種、もしくは東洋種と西洋種を掛け合わせた中間種になっています。
根元が少し赤い色をしていて、アクが強いのでしっかりとあく抜きをする必要があり、ソテーやバター炒めなどに向いています。
品種としてはミンスターランド、ノーベル、ピロフレー等です。
中間種の品種は沢山あり、その中でも暑さや寒さに強いリード、アトラス、耐寒性があり、葉は濃い緑色をしていて切り込みが深いミンスター、日本酒同士の交配種であるスーパー日本ほうれん草など。
しかし一方でアクが少なく、甘みがある東洋種の味の良さも見直されつつあるようです。
東洋種のほうれん草には角種、次郎丸、豊葉、赤根ほうれん草等があります。
他に生のままでも食べられるように改良されたサラダほうれん草や表面に縮れたようにシワが入っているちぢみほうれん草などもあります。
ほうれん草の生産量
日本においてほうれん草の生産が最も多いのは千葉県、ついで埼玉県、群馬県、宮崎県と続きます。
市町村別の生産量となると岐阜県高山市が最も多く有名で、ついで群馬県の太田市、福岡県の久留米市となっています。
世界規模で見てみると中国が全体の生産量の85%を占めて他国を圧倒しています。
日本はアメリカに次いで3位にランクインするほど。
ほうれん草の栄養
ほうれん草にはビタミンAや葉酸が豊富なことで知られています。
ルテインというカロテノイドを多く含み、おひたし、胡麻和え、バター炒めなど様々な形で調理されていて、調理するとかさは減ります。
ほうれん草は緑黄色野菜の中では鉄分が多い方で、鉄分の代表のように言われることもありますが、実は小松菜の方が多く、ほうれん草には鉄分の吸収を高めるための葉酸が多く含まれているので、吸収率で比較するとほうれん草の方が多いということになるのだそう。
また、ほうれん草にはシュウ酸も多く含まれ、度を超えて多量に摂取し続けた場合はカルシウムの吸収を阻害したり、シュウ酸がカルシウムと結合し腎臓や尿路にシュウ酸カルシウムの欠席を引き起こすことがあります。
ただし、シュウ酸は水溶性なので多量の水で茹でこぼすことでシュウ酸をゆで汁の中に溶出させることができます。
(ライター ナオ)