50円玉・・・紋章・・・お墓など、「菊」と聞いて思い浮かべるものはたくさんありますね。
ガーデニングでも楽しむことのできる「菊」ですが、菊にはどんな種類があるのでしょうか?
菊とは?
「菊」は、キク科キク属の植物で多年草です。
もともと中国が原産の菊は、奈良時代に日本へ渡ってきたそうです。
菊は世界各国で親しまれていて、次々と品種改良され、新しい菊が発表されています。
今では世界に2万種、日本では350種以上の菊があるそうです。
和菊の種類
日本で造られた菊は「和菊」と言います。
江戸時代に日本で造り出された菊の事を「古典菊」と呼びます。
江戸菊
古典菊を代表的する菊です。
江戸時代「中菊」といえば「江戸菊」と言われていました。
江戸菊は季節外れに咲き、咲くにつれて花びらの形が変化していきます。
嵯峨菊
野菊を元にして、京都の嵯峨野で造られた菊です。
細長い花びらは一重咲きで細長く、直立しています。
日本三大名菊にひとつです。
美濃菊
岐阜県の南、美濃地方で造られた菊です。
花びらが中心に向かって咲いていて、蓮に似たような形をしています。
別名「岐阜菊」
肥後菊
熊本県で造られた古典菊です。
20~30枚の花びらが間を空けて付いています。
素朴でとても美しいと評価されています。
伊勢菊、松坂菊
伊勢地方で嵯峨菊をもとにして造られた菊です。
大輪は「松坂菊」、中輪は「伊勢菊」と呼びます。
花びらは縮れたような形で、糸のように垂れ下がって咲いています。
サイズ別種類
大菊
花の直径が18~20cm以上の大きな和菊のことです。
重厚感があり、1つの茎に1輪の花を咲かせます。
大菊は形の違いで更に細かい種類に分けられます。
- 厚物(あつもの) 花びらの先が真ん中の中心に向かって盛り上がった形のもの。
- 厚走り(あつばしり) 厚物に似ていますが、外側の花びらが垂れ下がっている形のもの。
- 大掴み(おおつかみ) 花の上の方が手をギュっと掴んだような形で、外側の花びらは垂れ下がっている形のもの。別名「奥州菊」
- 管物(くだもの) 花びらが放射線状に広がっている形のもので、管の大きさによって”太管・間管・細管・針管・長垂”に分けられます。
- 広物(ひろもの) 平べったい花びらが並んでいる形のもので、花びらの数は16枚が良いとされています。別名「一文字」「御紋章菊」
中菊
花の直径が9~18cmの和菊のことです。
仏花や切り花に良く使われています。
小菊
花の直径が9cm未満の和菊のことです。
花壇や鉢、小さな盆栽などでも楽しめます。
洋菊
欧米で造られた菊のことを「洋菊」と言います。
アメリカで造られたこの菊は、1968年に日本で販売されました。
「ポットマム」や「スプレー菊」と呼びます。
茎がたくさん枝分かれをして、4~5cmの花をたくさん付けます。
花の色がたくさんあってカラフルで、小さめの大きさがとても可愛いんですよ。
食用菊
食用の菊は日本の山形県や青森県、新潟県などで栽培されています。
スーパーでお刺身を買ったときに菊のお花が飾られていますよね。
その菊は”小菊”と呼ばれていて、5種類ほどあります。
小菊は食用菊として温室栽培されているものです。
小さな菊の花びらには甘みがあります。
酢の物や天ぷらにしても美味しいんですよ。
「延命楽(えんめいらく)」という食用の菊は紫色をしています。
奈良時代から食用されていたそうです。
「阿房宮(あぼうぎゅう)」という食用の菊は黄色で中ぐらいの大きさをしています。
この菊で作った”菊のり”は、青森県八戸市の特産品です。
菊の種類について まとめ
菊の種類についてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
菊には大きささ色などで細かく分かれ、たくさんの種類があることが分かりました。
そして食用できる菊まであります。
そして菊は、ガーデニングを楽しみたい方におすすめの花でもあります。
あなたはどの種類の菊に興味が沸きましたか?
(ライター 雲呑)