冬になると花屋さんには色々なシクラメンがずらりと並びます。
何となくシクラメンの花を見かけるようになると冬を意識するようなるもの。
そんな今や冬の風物詩にもなっているシクラメンの花ですが、シクラメンについてもう少し詳しくお話していきます。
シクラメンの特徴
シクラメンはサクラソウ科シクラメン属に分類される地中海地方が原産の多年草の球根植物の総称です。
シクラメンはもともと地中海沿岸、ギリシャからチュニジアにかけて原種が自生しています。
日本には明治時代に伝わり、戦後急速に普及しました。
日本での品種改良も盛んに進められ、花色や咲き方など様々な品種が登場しました。
日本の鉢植えの中ではトップクラスの生産量を誇り、冬の鉢植えの代表格として定着しています。
ハート形をした柄の長い葉には白斑があり、花茎をのばして花をつけます。
葉芽と花芽は一対一で発生していきます。
球根は茎が肥大したもので分球せず、この種の球根は表皮がコルク状で乾燥によく耐えることができます。
シクラメンの花の季節
日本でシクラメンの花の季節は秋から春にかけてです。最盛期は11月~12月です。
一重や八重などの形の他、花の色も白や赤、黄色、桃色などと多様性に富んでいます。
シクラメンの品種
ガーデンシクラメンという品種は従来鉢で育てる室内観賞用のシクラメンが一般的でしたが、原種との交雑によって耐寒性のあるミニシクラメンの系統として選抜し売り出したのがガーデンシクラメンのはじまり。
ガーデニングシクラメンで有名な品種としては、花弁の縁に細かい切れ込みが入るフリンジ先の代表品種のビクトリアがあります。
この品種から多くの八重咲の品種が生まれました。
また、ピアスは咲き始みが白色ですが、次第に花びらの先端にかすり状のピンクのグラデーションが入ります。
日によく当てるとピンク色が綺麗に発色します。
パピヨン葉恋ピンクの花びらの縁が白く刷けこみます。
丸みを帯びた花は腸が飛んでいるかのよう。
メティスシリーズはフランス・モレルディヒュージョン社のミニシクラメン。
早咲きで丈夫で育てやすいのが特徴です。
寒さに強く、次々に花が咲き、開花期間が長く人気があります。
フェアリーバンビは八重咲のシクラメンで花もちが抜群に良い品種です。先進むにつれて花色が淡いピンクから濃いピンクへと変化します。
芳香性シクラメンは通常栽培種のシクラメンは全く香りがしないか香りが薄いのが一般的です。
天女の舞や絹の舞、みやびの舞といった品種が有名で、花の色と形だけでなく香りによって栽培するシクラメンの品種を選択する楽しみもあります。
原種シクラメンはガーデニング人気に伴って注目が集まった園芸用の原種ですが、一部の収集家によって栽培されている野生種もあります。
シクラメンの花言葉
シクラメンの花言葉は色によって分けられています。
赤いシクラメンの花言葉は嫉妬で、これは反り返った花弁が炎のように見えることが燃え上がる嫉妬心を連想させるからだと言われています。
白いシクラメンは清純でピンクのシクラメンは憧れや内気、はにかみです。
白いシクラメンは品種改良によって生み出された品種で、清純は白というイメージから付けられた花言葉です。
ピンクのシクラメンの花言葉は雨から花粉を守るために下向きに咲くシクラメンの花が、まるで恥じらっている様に見えることに由来しています。
シクラメンという名前
シクラメンは英語でsowbreadと呼ばれ、これはブタのパンという意味です。
これはシチリア島でシクラメンの球根をブタが食べ荒したことに由来していて、日本でも豚の饅頭という別名で呼ばれることがあります。
(ライター ナオ)