シャコバサボテンは、サボテン科・スクルンベルゲラ属(シュルンベルゲラ属)に属するサボテンの一種です。
当記事ではシャコバサボテンの剪定について紹介します。
シャコバサボテンの生態
シャコバサボテンは、「蝦蛄葉仙人掌」という字をあてる、サボテン科・スクルンベルゲラ属(シュルンベルゲラ属)に属する森林性のサボテンです。
原産地は、ブラジル・リオデジャネイロ州オルガン山脈などの高山で、クリスマスの時期(冬場)に開花することから「クリスマス・カクタス」とも呼ばれています。
シャコバサボテンの人気の原種・園芸品種は以下の通りです。
‘ダーク・マリー’
濃赤花のシャコバサボテンを代表する品種です。
分枝は少ないのですが大型で、大鉢仕立てに向きます。中生の種です。
‘ゴールド・チャーム’
薄黄花のシャコバサボテンを代表する品種です。
分枝は少なく大型で、大鉢仕立てに向きます。晩生の種です。
‘スーパー・ケーニガー’
薄オレンジ花のシャコバサボテンを代表する品種です。
強健な大型品種で、大鉢仕立てに向きます。晩生の種です。
‘エバ’
11月上旬から咲く、ピンク花の品種です。
分枝が多く小葉で多花性です。小鉢に向きます。早生の種です。
‘ピンク・ローズ’
珍しいバラ咲きの立ち性品種です。晩生の種です。
‘パール・ウエーブ’
白い花弁にフリンジが入る美しい立ち性品種です。晩生の種です。
‘チバ・ルビー’
S・オプンチオイデスとS・オルシチアナの交配種で、棒のような茎節が特徴的です。
なお、国内での流通はほとんどなく、海外では観葉植物として扱われています。
コンペイトウ(Schlumbergera Konpeitou)
シャコバサボテンのうち、葉が丸く巻きこんで、赤い花のものをコンペイトウと呼びます。
つぼみのうちから赤いものや白花やピンク花などもあります。
開花期も早生から晩生までさまざまです。
シャコバサボテンの剪定
シャコバサボテンは、剪定バサミを使うような剪定作業は必要ありません。
そのかわりに「葉摘み(はづみ)」という剪定をします。
「葉摘み」とは、葉っぱを摘み取ることです。そのまんまですね。
シャコバサボテンの葉を摘み取ることによって、花を咲かせる葉だけを育てることができます。
余計な新芽を生長させないようにして、見た目の美しさを保つこともできます。
葉摘みのしかたは、春か秋の気温が10度以上の日に、小さな新芽や葉を摘み取るだけです。
生え際から葉3枚分くらいを残して、そこから先の葉を摘み取り全体のバランスを整えます。
摘み終わった後は、水やりを控えて、2週間ほど経ったのち、普段通りの世話をしていきます。
ちなみにシャコバサボテンは、「挿し木(さしき)」という方法で数を増やせます。
挿し木は、葉摘みで摘んだ葉のなかで、これから生長しようとしている元気なものを選んで、それを土に挿して育てる方法です。
土に挿した葉は、やがて根が生えて、新たなシャコバサボテンの苗として育ちます。
シャコバサボテンの季節
シャコバサボテンは、11月~12月に開花します。
シャコバサボテンの交配種は茎節(扁平になった茎。葉の機能を有する)の突起がとがっているのが特徴です。
カニバサボテン、およびカニバサボテンの形質を色濃く残した交雑種は、1月~3月に開花するいわゆる遅咲きです。これは茎節の突起が丸くなっています。
近年は、シャコバサボテンとカニバサボテンの中間的な特徴を備えている交雑種も増えてきました。
シャコバサボテンのその他雑学など
シュルムベルゲラ属の植物は、ブラジル南東部に6種存在しています。
これらはサボテンの仲間ですが、いずれも霧の多い森林の樹上に自生しています。
シュルムベルゲラ属の植物のうち、日本で一般に出まわっているのは、リオ・デ・ジャネイロ付近の原産のシャコバサボテン(シュルムベルゲラ・トルンカタ)と、カニバサボテン(S・ルッセリアナ)のほか、クリスマス・カクタス(シュルムベルゲラ・バックリー)などといった両種を中心とした交雑種です。
シャコバサボテンのまとめ
以上、シャコバサボテンについていかがでしたか?
シャコバサボテンは、開花がはじまる10月前後から店頭に並び、「クリスマス・カクタス」の別名の通り11月~12月に開花します。
これからの季節、花屋さんで見かけたらおひとついかがですか?
(ライター ジュン)