子供の頃、口に含んでブーブーと鳴らして遊んだほおずき。
あのほろ苦さは遠い記憶の中によみがえってきますが、最近の子供たちはそんな遊びには興味も示さないのでしょうか。
今回はそんな懐かしいほおずきのお話です。
ほおずきの特徴
ほおずきはナス科ほおずき属に分類される多年草。
原産は東南アジアで、近縁種が南欧やアメリカ大陸など温帯に自生しています。
草丈は60~80㎝で葉は広卵形で互い違いに生え、葉の緑には少数の大きな鋸歯があります。
ほおずきの花
ほおずきの花は淡黄色で6~7月頃、葉の脇に花径1~2㎝で五弁を下向きにつけて咲きます。
花の後に蕚が赤い提灯のような袋状になった実がつき、このふっくらとした様子から頬を連想した「頬づき(顔つきなどのつき)」と呼ばれるようになり、同時に熟した実の種をとって頬を膨らませてほおずきを鳴らす子供たちの様子から「頬突き」であるともいわれています。
ほおずきの種類
ほおずき属に分類されるほおずきには食用にできる食用ほおずきと言われる種類があります、原産地は熱帯アメリカから東部にかけての地域でメキシコや中南米では野菜として一般的に栽培されているようです。
日本でも最近はホオズキトマトなどの名前で苗が販売されています。
品種としてはオオブドウホオズキ、シマホオズキ、ショクヨウホオズキ等があり、秋田県上小阿仁村の特産品で北海道では1995年から由仁町、江別市などでも生産されています。
また、センナリホオズキという種類はほおずきよりも小型の実をつけ、熟しても蕚は緑色のままで赤くなることはありません。
丈夫な性質で熱帯アメリカ原産ですが、暖地では帰化植物として野生化しているほど。
私たちがほおずきと呼んでいる鑑賞用のほおずきにも色々な種類があり、世界では約80種類が分布していると言われています。
丹波オオミホオズキは丹波が産地のほおずきで、時に実が大きく草丈も100㎝程度になる大型の品種です。主に切り花用に使われています。
サンズンホオズキは草丈15~20㎝と小型なので鉢植えに向いています。
ヨウラクホオズキは通常ちょうちんのような袋状になる蕚がなぎなたの刃のような形になって垂れ下がるのが特徴で、なぎなたほおずきの名前もあり、種はできずに株分けのみで増やされます。
ほおずきの育て方
ほおずきの植え付けの時期は3から4月です。
庭植えの場合は株を15~20㎝間隔で植えつけ、鉢植えの場合は6号以上の大きな鉢に植え付けます。
水はけと水もちの良い土を好むので赤玉土中粒と腐葉土を5:3の割合、それに調整済みのピートモス2の配合土がおすすめです。植え付けの時にリン酸分の多い緩効性化成肥料を混ぜて使用します。
鉢植えの場合は植え付けの時にあまり肥料をあげすぎると大きくなりすぎてバランスが悪くなってしまうので元肥入りの土に植え付けたら最初の花が咲くのを待って追肥するようにします。
陽当たりの良い場所を好むので1年を通じてよく日の当たる場所に植え付けます。鉢植えも同様です。
庭植えの場合は水はけにも注意をし、水はけの悪い場所では盛り土をして植え付けるようにしましょう。
病気は6~8月に高温と雨が続くと白絹病が多発します。
水はけを良くして病気が発生した株は周りの土事取り除き、速やかに破棄するようにしましょう。
アブラムシ、オオニジュウヤホシテントウは4~8月の特に新芽にアブラムシが発生しやすくなります。
発生したらすぐ防除します。オオニジュウヤホシテントウは6~8月に発生します。
見た目はテントウムシに似ていますが、葉を食害して穴だらけにしてしまいます。
葉脈だけになっている葉を見つけたらオオニジュウヤホシテントウの仕業なので早めに捕殺しましょう。
ほおずきと日本人のかかわり
日本のお盆では蕚に包まれたほおずきの果実を死者の霊を導く提灯に見立てて枝付きで盆棚に飾る習慣があります。
江戸時代には青ほおずきが解熱剤や婦人胎熱に特攻があると言われ重宝されました。
ほおずきの開花に合わせて日本各地でおこなわれる「ほおずき市」も日本の風物詩のひとつです。
特に7月初春に開かれる東京浅草時のものは江戸時代から続いている盛大な市です。
(ライター ナオ)