『芍薬の季節っていつ頃?』
気品ある芍薬の花をご存知でしょうか?
美しい女性の立ち姿にも例えられる芍薬。そんな芍薬について詳しくお話します。
芍薬の特徴
芍薬はボタン科の多年草です。高さ60㎝で葉は複葉です。
初夏に大型の紅・白色などのボタンに似た花を開くアジア大陸北東部の原産です。
草本で冬には地上部が枯れて休眠します。
江戸時代には茶花として鑑賞され、品種改良も行われた古典園芸植物でもあります。
熊本藩の頃、武士の素養として園芸が重視、推奨され、その中でもキク、朝顔、椿、シャクヤクなどの植物が特
熊本で育種された系統は肥後芍薬と呼ばれています。
中国では宋の代に育種が始まり、近代に入り西洋にも紹介され19世紀にはフランスで品種改良がなされています。
豪華な千重咲き大輪の品種が生まれ、明治時代以降の日本では神奈川県農事試験場がこれらを導入して従来の日本の品種群との交配を重ねてきました。
日本で栽培されているものは和芍薬と呼ばれ、一重咲きや扇咲きなど比較的シンプルでスッキリとした花形のものが多いのに対してヨーロッパで育成された品種は洋芍薬と呼ばれています。
こちらは手まり咲きやバラ咲きなど弁数が多く、香りの強いものが多いのが特徴で、最近は両方の交配による新しい品種も育成され、牡丹の交配種なども作られています。
芍薬の活用
芍薬などの禁煙植物の根は消炎、鎮痛、抗菌、止血、抗痙攣作用がある生薬であり、日本薬局方に収録されています。
漢方ではポピュラーな生薬で葛根湯をはじめとした多くの漢方方剤に配合されています。
根には配糖体であるペオネフリン、アルカロイドであるぺオニン等が多く含まれています。
芍薬の種類
芍薬は種類がとても多く、一重咲き、半八重咲のほか、雄しべが花弁のように変化したものはこの変化の度合いや形によって金しべ咲き、翁咲き、手まり咲き分けられ、またバラ咲や半バラ咲と呼ばれるタイプもあります。
ソルベはピンクの間に黄色が入り、3段に色分けしたように咲く芍薬で、重ねが多く盛り上がるようなボリューム感があります。
ポール・オブ・ビューティーはすっきりした金しべ咲きの中輪桃花種でクリーム色の中心部がチャームポイントで花立ちが良い品種です。
アバランチは白色で中心部はクリーム色。花びらの先に赤い縁取りが入りとてもゴージャスです。
コーラル・チャームはオレンジ色がかかった優しいパステル調のユニークな花色で半八重咲きです。
プリマ・ベラは外弁が白で中心部が黄色の王冠のような花形で色のコントラストも印象的です。
サラ・ベルナールは濃桃色の手まり咲きで振り品種ですが強健で作りやすいのが特徴です。
楊貴妃は淡黄色の千重咲きで中国から導入された古い品種です。
芍薬の花の季節
芍薬の花は5~6月に咲きます。
立てば芍薬、座ればボタン、歩く姿はユリの花と言われるように、高貴で売痛示唆を漂わせたとてもエレガントな花を咲かせます。
芍薬の育て方
芍薬の植え付けは9~10月に植え付け、庭植えの場合は一度植え付けたらあまり動かさないようにして5~10年は据え置きにします。
鉢植えの場合は根詰まりや混みすぎで花付きが悪くなるので2~3年ごとに植え替えをします。
鉢植えの場合は8号以上の大鉢で根をしっかり張らせることが、良い花を咲かせるポイントなります。
鉢植えは鉢土の表面が乾いたら水を与え、水切れしないように注意します。
庭植えの場合はほとんど不要ですが、しばらく雨が降ら随極端に乾燥する時には地中深くに染み込むようにたっぷりの水を与えるようにします。
陽当たりと水はけがよく、有機物に富んだ肥沃で乾燥しないようなところが適切です。
明るい半日陰や、午後は日陰になるような所でも育てられ、太い根が張り、葉も大きくなるので植える前の土づくりと育成スペースの確保が大切。
水は土の表面が乾いたたっぷりと与えます。
庭植えの場合はほとんど不要ですが、しばらく雨が降らずに極端に乾燥する時には地中深くに染み込むようにたっぷりと与えるようにしましょう。
気をつけなければならない病害虫はアブラムシ、ヨトウムシ、ネコブセンチュウ、コウモリガの幼虫などで、病気はうどんこ病、灰色かび病、葉枯れ病などです。
(ライター ナオ)