世界三大珍獣ともいわれるコビトカバは、日本国内の動物園で実際に見ることができます。
以下はコビトカバの主な特徴とコビトカバを飼育している動物園についての内容です。
コビトカバの発見
コビトカバ(choeropsis liberiensis)が発見されたのは1800年代の初めころです。
場所は西アフリカのリビエラだとされ、発見当時は子供のカバではないかと言われていたようです。
その後もコビトカバがコビトカバという動物だと認定されるまでに時間がかかったようで、ようやくコビトカバがコビトカバになったのは割合最近です。
コビトカバの生息数は少なく、推定で3000頭ほどとされています。
主な生息地はリビエラなどの西アフリカの密林です。
コビトカバの特徴とカバとの違い
偶蹄(ウシ)目カバ科に分類されるコビトカバの特徴は、なんといっても体の小ささです。
コビトカバは体長は150cm~175cm、肩までの高さも1mもなく80cmほどです。
体重も180kg~270kg程度です。
コビトカバは主に陸の上で生活し、夜行性です。一般的なカバは体重は1,5tほどにもなり、主に水中に適応した生態や体つきをしています。
水から顔を出して、目と鼻を出したカバの姿を見たことがあるのではないでしょうか。
コビトカバは目も出っ張っていないし、鼻も丸みをおびており目鼻は顔の前方向きについています。
体に被毛はあり乾燥を防ぐためか水中に入ることはありますが、ほんの水浴び程度です。
つるりとしており全体的に丸みを帯びた体型なのがコビトカバの特徴です。一番のカバとの相違点は、食べるものかもしれません。
コビトカバは草食です。草や果実、苔などを食べています。一方カバはコビトカバを食べることもあります。
そのためコビトカバは目立たないように単独で行動し、夕方近くなってからひっそりと草を食むのです。
寿命は約20年ほどとされています。コビトカバの天敵はヒョウなどとされていますが、そのヒョウの数も減少傾向にあります。
動物園で飼育されているコビトカバは、主に草やおからなども食べるようです。
コビトカバの繁殖
コビトカバの生態は不明点が多く、野生でのコビトカバの繁殖などはわからない点が多いようです。
カバは水中で出産をしますが、飼育されているコビトカバを観察すると、水中で行う場合もあり、陸の場合もあるようです。
いちどに産むのは一頭のことが多く、妊娠期間は約200日程度だそうです。
また、飼育下では一頭のオスに一頭のメスのペアですが、野生でのコビトカバは一夫多妻のこともあるようです。
コビトカバが見られる動物園(国内)
コビトカバの飼育例は少なく、国内で数頭です。
上野動物園(東京都)
現在見ることができるコビトカバは東山動物園からやってきた1990年生まれのオスのしょうへいです。
メスのエボニーは名前が舶来です。出身地はセントルイス動物園で、1989年生まれです。
子供のコビトカバはメスのモミジ、ナツメだそうです。
名古屋東山動物園(愛知県)
東山動物園にいるコビトカバは、上野生まれのコウメとコユリ姉妹です。
いしかわ動物園(石川県)
いしかわ動物園には「カバの池」があります。
オランダからやってきたノゾミとシンガポール出身のヒカル、その子供のミライがいます。ミライは2016年生まれだそうです。
コビトカバの成熟は生後2、3年とみられているようなので、まだ赤ちゃんのコビトカバみたいですね。
アドベンチャーワールド(和歌山県)
こちらの施設では、「ミニカバ」とされています。メスのサクラという2001年産まれの個体です。
世界でもコビトカバの飼育例は多いとはいえませんが、だいたい400頭ほどが飼育されているようです。
今年(2017年)生まれのコビトカバは、南米チリのブイン動物園で飼育されています。
コビトカバのまとめ
今のところ日本では元気なコビトカバの姿を見ることができるようです。
コビトカバは鳴き声を出すことが少ないようですが、たまに鳴くようなので実際に動物園に足を運べばもしかするとブォブォブォ、というようなやや意外な声を聴くこともできるかもしれません。
(ライター:おもち)