時々家の中に大量に発生するトビムシを知っていますか?
毎年家の中に発生して困っているという人はいないでしょうか。
今回はそんなトビムシの生態と駆除方法について詳しくお話します。
トビムシの特徴
トビムシはトビムシ目に分類される昆虫の総称で、よく跳びはねることから名前がついたと言われています。
森林土壌中には1㎡あたり数万個体という、とても高い密度で生息していて基本的な構造は昆虫と共通する点が多いのですが、跳躍器や粘管などの独特の器官をもっていて、触角に筋肉があるという特異な特徴を備えています。
科によって様々な特徴があるトビムシですが、世界では3000種以上、日本国内でも14科103属360種が報告されています。
ツチトビムシ科に分類されるトビムシは温帯林の有機物堆積層で最も一般的で種類の多いトビムシです。
トゲトビムシ科やアヤトビムシ科は体長と同じくらいの触角と又状器を持っていて、活発に跳ね回ります。地上表層性、または樹上性のものが多いのが特徴。
シロトビムシ科は根が退化していて土壌中で生活しています。体表に多数の擬小眼を備えています。
ムラサキトビムシ科は太めの体に短い触角と足を持っていて、体色は紫や褐色。高い集合性を持っていてキノコを食害することがあります。
イボトビムシ科は楕円形で扁平な体形をし、触覚や足は短く、体表面にイボ状の突起を被っており、派手な色調を持ったものが多くいます。
マルトビムシ科は丸っこい頭と膨らんだ腹部をやや幅の狭い胸部でつないだ形をしており、触覚、足、又状器は長めで、体節が違いに融合しています。
トビムシの生態
トビムシは変態をせず、脱皮を繰り返して成長します。
成熟後も脱皮を繰り返し、温帯では年間3~6世代が経過すると考えられていますが一部、夏季の乾燥を避けるために夏眠をする種もいて、これは年に一度のみ発生します。
交接は行わずオスは土の表面に精包を置き、メスがそれを拾い上げることで受精が行われますがマルトビムシの一部ではオスが触角を使ってメスの触角をつかみ、後脚を使って直接精包を受け渡すものもいます。
また、単為生殖を行う種もいて、それらは深層性のものに多く見られます。
トビムシの家屋への侵入
乾燥に弱く、水湿地や土壌などに多く生息していますが、家の中でも風呂場や台所などの湿気の多い場所に発生します。
もともとは土の中に生息しているので何らかの拍子に土から出たトビムシが家の中に入ってくるのが原因です。
体長は種によりますが、1~6㎜程度、平均すると2~3㎜程度のものが多く、非常に小さい為、部屋の隙間や配管などを通って侵入してくる場合が多く、侵入口を特定するのはとても難しい虫の一つです。
トビムシの駆除と防除
トビムシの駆除は簡単です。
家庭にある一般的な殺虫剤で簡単に駆除することができます。
体が固い殻で覆われているわけでもなく、動きがとりわけ素早いわけでもありませんので、殺虫剤を使えばそれほど苦労することなく、駆除することは簡単です。
防除に関してはなるべくトビムシが好むような環境を作らないことが重要です。
観葉植物などの土の中にいる場合もあるので注意が必要です。
また、侵入口になりそうな場所にはエアゾール剤などの薬品を塗布しておくことが有効だと言われています。
木などが腐ってしまっている箇所があれば、その材木は取り除き、通気を良くして乾燥させておくことも必要です。
トビムシのまとめ
トビムシの種類は日本にも360種類以上いる。
湿度の高い環境を好み、多くは土の中で生活している。
トビムシの家屋への浸入を防ぐためにはジメジメした環境を作らないことと侵入口になりそうな場所に薬剤を塗布しておくことが必要。
トビムシが発生した場合には殺虫剤などで簡単に駆除することが出来る。
(ライター ナオ)