鼻ぺちゃなコアラのようなウォンバットという動物をご存知でしょうか?
双前歯目ウォンバット科に分類される構成種の総称で、名前はダルク語に由来しています。
オーストラリアクーンズランド州の一部、及びニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、南オーストラリア州、西オーストラリア州、タスマニア州の低木林や草原に分布しています。
頭胴長70~110㎝、尾長25~60㎜、体重は19~33kgで尾は痕跡的です。
ヒメウォンバット属は粗く、ケバナウォンバット属は柔らかい体毛で被われています。
メスの方がオスよりも大きく、ずんぐりとした体つきで内股で歩くのが特徴です。
ヒメウォンバット属の耳介は短く丸みを帯びますが、ケバナウォンバット属の耳介は長く三角形をしています。
歯は無根歯で一生伸び続け、四肢は短いです。
体色は黒、褐色、灰色、頑丈な前脚を持ち、トンネル状の巣穴を作ります。
草食性で植物の葉や根を食べ、夜行性なので昼間は巣穴の中で過ごしますが、曇りの日などは餌を求めて動き回ります。
1腹1子。未熟児の状態で生まれるため、お母さんのお腹についている袋の中で成長します。
袋は、穴を掘る時に砂が中に入らないようにすうる為、うしろ向きについています。
本気で走ると、短い距離であれば時速40kmほどのスピードが出て、一日で90㎝の土を掘り進むことも出来ると言われています。
天敵はおらず、野生下での死因の多くは換気における食料不足や皮膚病の蔓延、自動車との交通事故や森林火災などだそうです。
ウォンバットのいる動物園
日本には2017年12月現在3か所の動物園でウォンバットを観ることができます。
先日、そのうちの1か所である大阪府池田市にある五月山動物園で1989年生まれのメスのワンダーが死亡したばかり。
ウォンバットの寿命は野生下では平均が5年、長くても10年と言われており、哺乳類の中ではかなりの短命です。しかし、飼育下では最高29歳までの生きたという記録があるそうです。
ウォンバットを見られる3か所の動物園は長野県茶臼動物園、名古屋市東山動物園、大阪府池田市五月山動物園です。
茶臼動物園
茶臼動物園は植物園や恐竜園、マレットゴルフ場などが広がる一体の一角にあります。
緑豊かな場所で、希少動物の保護や増殖に力を入れていたり、ふれあいコーナーや動物園の裏側探検や飼育体験などのイベントも開催。
ウォンバットは恒例のメスのウォンバットが2頭がおり、1991年生まれのスミレと1992年生まれのモモコです。
東山動物園
東山動物園は植物園や遊園地、スカイタワーなどが終結したアミューズメントパーク。
一日ではとても観て回れないほどの様々な魅力にあふれた場所です。
動物園では500種類ほどの動物の展示を行っており、知識が深まるイベントなども沢山開催しています。
この動物園には一頭のオスのウォンバットがいて、名前はワレス。2003年生まれの14歳です。
五月山動物園
五月山動物園はオーストラリアのローセストン市と姉妹都市提携をしているということもあり、多くのウォンバットがいます。また、繁殖にも成功しています。
現在、オスのワイン、ふく、コウとメスのマル、ユキの5頭を観ることができます。
ウォンバットのライブカメラなども設置し、HPで公開するなど、ウォンバットの飼育や展示に力を入れています。
動物園のある池田五月公園近くにはプールや植物園、池田城跡公園、児童文化センターなどのレジャー施設もあるので一日中楽しめるスポットです。
ウォンバットは日本での飼育や繁殖が難しく、またオーストラリアからの譲渡の状況も近年は厳しくなっている為、今後は徐々に観られなくなってしまうかもしれない動物です。
まだ見たことがないという方は、ぜひ愛くるしいウォンバットの姿を見に出かけてみてください。
(ライター ナオ)