百獣の王にして、一日の大半を寝そべって暮らすといわれるネコ科のライオンですが、一匹オオカミのようなライオンはいるのでしょうか?
いたとして、それで生き残こることができるのでしょうか?
一匹(一頭)ライオンの生い立ち
メスライオンが主体となって主に集団で陽がかげる夕方以降狩りを行い、そのおこぼれをオスライオンがもらうという群れが、一般的なライオンの群れとされる集団です。
メスが4,5頭ほど、オスが2~3頭程度のライオンで構成され他に子供のライオンがいます。
群れにいるライオンの数はだいたい10~15頭ほどであることが多いようです。
メスライオンたちは群れを移動しないため、血縁関係があることになります。
リーダー格のオスライオンは2,3頭いることが多いですが、老いたライオンや重症を負ったライオンは追い出されたり、適宜リーダーの交代が行われます。
群れの中で入れかわりがあるのは、だいたいがオスのライオンです。
産まれたライオンがオスの場合は、3歳くらいまでには群れを追い出されます。
追い出される理由は群れを乗っ取られることを防ぐためだとか、子孫を広げるためだともいわれます。
この場合、ほかの群れを乗っ取るか、たまたまリーダー格のオスがいない群れに入ったりするまで放浪することになります。
ライオンの生存率は意外に低いそうです。
ライオンの群れを乗っ取る
群れを追い出されたライオンは、生き残るために他の群れを乗っ取ります。
そのためにはその群れのオスを追い出す必要があります。群れに子供のライオンがいれば全て殺しますメスライオンは子供がそばにいる間は発情しないといわれますが、群れのメスライオンたちはだいたい同じ時期に発情期をむかえ、一緒に子育てをすることで子供ライオンを守っているような行動がみられるそうです。
ライオンといえども子供の頃は他の肉食獣に襲われやすく、成長する前に命を落とす場合も少なくありません。
1歳くらいまで成長できるライオンの子供はむしろ少数派だといわれます。オスライオンであればたてがみが生えはじめる頃です。
このように逞しく育てられるライオンのオスですが、放浪した後に他の群れのオスを追い出し乗っ取るのはかなり困難なようにも思えます。
しかもそのあと群れを守り、交尾を行わなければなりません。放浪中、ハゲワシやハイエナ、リカオンなどに襲われるオスライオンも多くいるようです。
ライオンの狩りとオスの役割
メスライオンたちは数匹で獲物を囲いこみ、距離を詰めてからとびかかります。
ライオンは持久力に欠けるので、ヌーの群れを追っていても後方の遅れたもの、あるいは子供などにとびかかることも多いようです。
まず先にメスライオンたちが食べ、あとからオスライオン、子供のライオンが近づいてくる場合が多いようです。
その時に、他の動物が寄ってくるとオスのライオンはそれらを追い払います。獲物や群れを守るのもオスライオンの役割です。
ハイエナは獲物を横取りするといわれますが、実際にはそうでもなく、群れに入れないオスライオンがハイエナの餌を横取りしたり、食べ残しを見つけて食べることもあるようです。
オスのライオンにとって、群れに入れないことは狩りによる餌にありつけない事を意味します。
放浪状態になったオスライオンは餌ほしさに他の群れに近づいたりしますが、追い払われてしまうこともあるようです。
オスライオンは必ず群れを追い出されるのにも関わらず、なぜ狩りが下手なのでしょうか。
現在ライオンが棲息する地域は限られています。主にアフリカ大陸のサハラ砂漠より南とされ、かなり数を減らしてきた肉食獣のひとつです。
体の大きさはオスの成獣で体長2m、体重は200キロほどあるとされます。
強いとされながらここまで減ってしまったのは、ひとつは人間のせいでもあるようですがどこか不思議でもあります。
ライオンにとって群れとは
ライオンにとって、群れとは何のためにつくるものなのでしょうか。
ライオンには強い縄張り意識があるようです。群れをつくり行動するのは、縄張りを誇示するためでもあるのかもしれません。
一頭で行動するオスのライオンは確かに存在し、ライオンの群れ社会の仕組みにのっとるとオスのライオンであれば必然的にそういった状況になるようでもあります。
ライオンの真の姿は、やせこけた姿でサバンナを放浪するオスライオンの姿なのかもしれません。
(ライター:おもち)