お腹で貝を割る様子が可愛らしいラッコ。
水族館や動物園でもその食事風景はショーにもなっているほどです。
そんな人気者のラッコたちの寿命って一体どれくらいかご存知でしたでしょうか?
ラッコの特徴と生態
ラッコは食肉目イヌ亜目クマ下目イタチ科カワウソ亜科ラッコ属に分類される哺乳類です。
イヌなんだか、クマなんだか、イタチなんだか!!!??と混乱しそうですが、イタチ科のうち、水に棲むように進化したのがカワウソで、海に棲むようになったのがラッコと言われています。
日本択捉島東部、千島列島、アラスカ、カリフォルニア州などの北太平洋沿岸に生息。
分布の北限は北極海で、南限はカリフォルニアのオオウキモです。
体長は55~130㎝、体重は15~45kg。
尾は短くて扁平。体毛密度は哺乳類の中でも高い部類になり、全身に8億本もの体毛が全身に生えています。
これは、60㎠の皮膚にヒトの頭髪すべてが生えているのと同じ位の密集度で、これらの毛を丁寧に毛づくろいする為に、体はとても柔らかくなっています。
北極海のような冷たい海でも、綿毛と呼ばれる柔らかいした毛が1㎠あたり10万本以上密生しているので、水中に潜るときでも綿毛の間に含まれた空気が断熱の役割をしてくれます。
背面は濃褐色、頭部は淡褐色の体毛で覆われ、吻部にはヒゲが密集しています。
前肢は短く、後肢は大型です。指と指の境目がはっきりしておらず、後肢はウロコ状になっています。
海岸から10㎞以内の沿岸域に生息していて、陸上に上がることはめったにありませんが、まれに天候が荒れた日には上がこともあります。
数十頭からなる群れを形成し、生活。
昼行性で夜間には海藻を体に巻き付け、流されないようにして休みます。
食性は動物食で魚類、貝類、甲殻類、ウニなどを捕食。
泳ぎがあまり得意ではないため、海中で魚を捕らえると、水面まで運んでからたべます。
貝を食べる時には胸部に石や別の買いを乗せ、それらに貝を打ち付けて、叩き割り、下顎の歯で中身をこじ開けて食べます。
割るための道具である石や、食べきれなくなった貝はわき腹のたるみをポケットにして、しまい込んでおく癖があります。
繁殖形態は体制で、交尾と出産は海上で行います。
メスの妊娠期間は8~9か月で1回に1~2頭の幼獣を産み、腹の上に幼獣を乗せながら、海上で子育てを行います。
オスは子育てには参加しないので、メスはエサを採りに海中に潜っていかなければならず、その間幼獣は海上で一匹だけになります。
この時、天敵であるホホジロザメに捕食されることが多く、約1割の幼獣がこの時に命を落とすのだそうです。
ラッコの寿命
ラッコの寿命はオスの方がメスよりも短く、10~15年、メスは15~20年と言われています。
オスの最長寿命は大洗水族館尾22歳で、メスの最長寿命は鳥羽水族館の25歳という報告があります。
ラッコの20歳というのは実は人間に換算すると80歳ほどになり、結構な長寿ということになるわけ。
ラッコに関するエトセトラ
ラッコブームが起こった平成8年頃には全国の水族館で118頭のラッコが飼育されていました。
しかし、飼育下のラッコの繁殖は難しく、親が神経質になり育児放棄するなどの理由で、数が年々減少し、2015年には15頭にまで激減してしまっています。
「ラッコ」という和名はアイヌ語からきているといわれています。つまり、古くは日本周辺にもラッコが存在していたことを意味し、1712年に編纂された日本初の百科事典にもラッコが紹介されているのだそうです。
ラッコの生態と寿命に関するまとめ
ラッコは日本択捉島東部、千島列島、アラスカ、カリフォルニア州などの北太平洋沿岸に生息している。
ラッコの寿命はオスの方がメスよりも短く、10~15年、メスは15~20年。
(ライター ナオ)