エキノコックスという病気を聞いたことがありますか?

主にキタキツネや犬、猫、タヌキなどのイヌ科の肉食動物の糞を媒介して人体に引き起こされる感染症のひとつ。

 

潜伏期間が5~10年と長く、その間何の自覚症状もないというのが怖い所。

感染し、発症すると深刻な肝機能障害を引き起こすことで知られています。

そんなエキノコックス、実は身近なところに危険があるということをご存知でしたか?

猫に寄生するエキノコックス

2007年まで、エキノコックスに感染しているのはほぼキタキツネで、約40%ものキタキツネがエキノコックスに感染していると言われ、当時は猫がエキノコックスに感染することは無いというのが一般的でした。

しかし、近年北海道大学などの研究により、猫の糞からもエキノコックスの虫卵が発見されたことから、猫もエキノコックス症に感染していることが判明しました。

猫や犬の場合、その原因はエキノコックスに感染している野ネズミの捕食です。

エキノコックスは寄生虫が最終的に大型の哺乳類に寄生することが出来るまでの間、ネズミやリスなどの小型の哺乳類である中間宿主に寄生します。

 

そして、その後そのネズミを捕食した大型の肉食動物、最終宿主が感染するという仕組み。

猫が直接エキノコックスノ卵塊を口にすることでは感染しないようです。

 

猫がエキノコックスに感染してしまった場合、軽い下痢や軟便が見られますが、無症状である場合も多く、直接的に猫の生命にかかわることはありません。

しかも、成虫はプラジクアンテルという薬でほぼ100%駆除することが出来るので、外に出ることのある猫は定期的に便の検査を受ければ問題ありません。

これは危険?おぞましき寄生虫たちの恐怖!

人間への感染が心配

問題なのは飼っている猫から人間が感染した場合です。

などで食べ物や水などを介してエキノコックスの虫卵を口にしてしまった場合は飼い主である人間にも感染します。

 

つまり、中間宿主には人間もふくまれているということ。

エキノコックスに感染した猫が家の中にいた場合、糞や飲み水の取り換えなど、危険はそこら中にあるということになるのです。

 

人間への感染が判明した場合は、患部の切除が基本になります。

切除が出来なかった場合の死亡率は5年で70%、10年で94%と言われています。

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エキノコックス症を予防する方法

エキノコックスを予防するにはまずは猫を野外に放さないようにすることです。

オス猫の場合は厳しい条件になってしまうこともありますが、放し飼いは最も危険で、リスクが高いです。

 

また、田舎などの地域によっては室内にネズミが出ることもありますので、その場合はネズミ捕りや駆除などを行って猫に名済みを近づけないようにすることも必要です。

特に北海道などの緯度の高い地域は注意が必要です。

 

エキノコックスノ症の感染は特に緯度の高い地域で見られています。もちろん原因はキタキツネ。

北海道での飼い猫の放し飼いは特に危険です。

万が一飼い猫からエキノコックスが見つかった場合は、猫の治療はもちろんですが、家族是認の検査が必要です。また、猫の使用していたものは全て焼却または熱湯消毒を下方が安全です。

 

処理業者に依頼することも検討に入れましょう。

猫の体に虫卵が付着している可能性もありますので、シャンプーによって洗い流すようにしましょう。

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北海道以外でも注意が必要

近年は人間だけでなく、動物の移動も盛んになっています。

北海道から本州への動物の移動も珍しい事ではありません。

 

2006年には埼玉県で捕獲された犬からエキノコックスが発見されたという報告もあります。

北海道以外の地域でもエキノコックスは注意しなければなりません。

(ライター ナオ)

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