アフリカのマサイ族の人たちは、視力が8.0以上あるとも言われています。

それは広大なサバンナで生活する中で、天敵や獲物を見つけるための重要な能力。

一体どんな世界が見えているのか、想像すらつきませんが…。

そんな彼らの天敵である、「ライオン」の視力はどうなのでしょうか?

彼らもまた、マサイ族同様に、サバンナで生き抜くための視力が発達しているのでしょうか。

目の良さには種類がある

一言で「目が良い」といっても、それは単なる「視力」だけの話ではありません。

  • 「遠くのものが良く見える」
  • 「動いているものが良く見える」
  • 「暗闇で良く見える」
  • 「様々な色が識別できる」
  • 「視野が広い」

動物によってこの中のどれか一つだけが突出して「目が良い」と言われるものもいますし、総合的に見て「目が良い」ものもいます。

例えば、鷹や鷲などは2km以上先にいる獲物も見つけることができるほど、遠くのものを見る力が優れています。

 

フクロウは暗闇での視力がずば抜けていて、暗闇でも数十メートル先の小さな虫を見つけることができます。

しかし逆に、色の識別をしたり近くのものを見ることは苦手。

 

ウマやヤギなどの草食動物はかなり広い視野を持っており、ほぼ360度見ることができます。

ただしそのほとんどの範囲を片目で見ることになるため、ものを立体的に見る(遠近感をとらえる)ことは得意ではありません。

 

立体視に関しては、人間を含めチンパンジーなどの類人猿がずば抜けています。

また、昆虫などは人間には見えない紫外線まで感知することができるのです。

このように、目の良さにも様々な種類があるということを、まず知っておきましょう。

ライオンはどのくらい目が良いの?

さて、ここからは本題であるライオンの目の良さについて見ていきましょう。

百獣の王と言われるライオン。

その目の良さについても、王様クラスであることを期待したいですね!

遠くのものを見る力

やはり広大なサバンナで獲物を見つけるには、遠くのものが良く見える視力が必要です。

ライオンの視力はなんと人間の約5倍、1km以上離れた獲物すら見つけることができるのです!

日本人は眼鏡率が高いですから、サバンナなんかに行ったらライオンに気付く前にやられてしまう可能性大ですね…。

その点マサイ族の人たちはライオンに匹敵する視力を持ち、1km先にいるライオンの姿に気付くこともできるそうです。

動くものを見る力(動体視力)

ライオンは最高時速80kmというスピードで動くことができますが、走るための筋力や持久力は優れていません。

よって、狩りは一瞬の勝負。

 

ジワジワと獲物に忍び寄り、獲物の瞬間的な動きを捉えて捕まえます。

そのためとても動体視力が優れており、逆に「動きの遅い獲物はスルーしてしまう」と言われることもあるほど。

暗闇での視力

テレビなどの映像で見るライオンの狩りは、昼間行われていることが多いですよね。

そのためライオンは昼行性だと思っている人も少なからずいるかもしれませんが、じつはライオンの狩りの本番は夜。

基本的には夜行性の動物なので、当然暗闇での視力にも優れています。

色の識別

ライオンは視力が良い反面、色の識別は苦手です。

ライオンの見ている世界はほぼ白黒で、人間のように何色もの色を識別することはできません。

一見草原では目立ちそうなシマウマがあんなカラーリングをしているのも、捕食者であるライオンには草原も白黒に見えているため、絶好の保護色になるからです。

視野の広さ

ライオンの視野の広さは、両眼視野が120度、単眼視野がそれぞれ80度。

両眼視野とは両眼で見ることのできる範囲のことで、この範囲内ではものを立体的に見ることができ、遠近感が掴みやすくなります。

ライオンを含め肉食動物は目が顔の前側についていることで両眼視野が広くなり、より獲物を捕まえることに特化した仕組みになっているのです。

ライオンの視力についてのまとめ

やはり広大なサバンナの王者だけあって、目の良さも相当なものです。

これに加えて力やチークワーク、嗅覚、聴覚なども優れているのですから、百獣の王と呼ばれるのも納得ですね。

人間が彼らよりも優れているのは、唯一色の識別…。

芸術対決なら勝てそうですね。

(ライター もんぷち)