キョンという名前の動物がいるのをご存知ですか?
可愛らしい名前で、もちろん風貌も可愛いのですが、実は厄介な一面もあり・・・・・
今回は「キョン」について詳しくお話ししていきます。
キョンの特徴
キョンはシカ科ホエジカ属に分類されるシカの一種。
環境省指定特定外来生物に指定されています。
中国東部や台湾に自然分布している生物で、日本では房総半島、伊豆大島などに移入し、昭和30年代以降定着したと考えられています。
体長は70~100㎝、肩高40~50センチ、体重は10~15kgです。
お酢には短い角と牙があり、目の下方に臭腺の開口部があり、これがつぶった目のように見えるので四目鹿ともいわれています。
森林、低木林に生息し、単独で生活します。
草食性で木の葉や果実などを食べ、繁殖形態は胎生で、1年に1匹の幼体を出産します。
特定の繁殖期はなく、雌は1年を通じて繁殖し、イヌに似た声で鳴きます。
キョンの被害
日本では動物園などで飼育されていた個体が逃げ出し野生化しました。
2005年には外来生物法により特定外来生物に指定されたために許可なく日本に持ち込んだり国内で飼育することは禁止されています。
イネ、トマト、カキ、ミカン、スイカなどの農作物被害は毎年のように発生し、自然植生の食害も懸念されていて、ニホンジカが食べないアリドオシを彩色することも知られています。
また、庭に侵入して樹木や花を食べあさったりもするようです。
キョンの利用
キョンの皮はとてもきめが細かく、セーム革の中でも最高級品とされています。
楽器やカメラレンズ、骨とう品、刀剣などの手入れのほか理美容品の素材としても使われています。
また、食用としても柔らかく脂肪分も少ない食材として、中華料理では薄切りや細切りなどにして使われています。
八丈島のキョン
八丈島ではキョンと触れ合えることを観光のひとつとしていて、八丈島植物園では可愛らしいキョンに合うことが出来ます。
「八丈島のキョン」の存在はがきデカという山下たつひこの描いたギャグマンんの中の意味不明な一発ギャグのフレーズとして一躍有名になり、その年代の人ならばキョンと言えば八丈島、というほど知られていたそうです。
キョンは駆除の対象!?
しかし一方で、キョンの高い繁殖力から現在千葉県での生息数は2011年で17,000頭にまで激増し、多大の被害が出ているという現状もあります。
また、東京でも同じような現象が起きており、いずれもきっかけは動物園から脱走したキョンが大量繁殖したものと考えらえています。
キョンが生息している台湾などでは彼らの天敵はオオカミやクマなのですが、これらの天敵がいない東京、千葉で思いの他大量に繁殖してしまったということのよう。
東京都環境局の調査では東京都に生息しているキョンは推定3000頭。1年に1000頭ずつ捕獲していけば5年後には根絶できると見込み、捕獲を実施しましたが、平成26年度の調査では推定11,000頭にまで急増しており、伊豆大島では2015年現在人工よりもキョンの数が多くなるという事態がおこっているのだとか。
千葉県では平成21年にはサルとキョン両様の捕獲用のはこわなを設置して捕獲体制を充実させています。
生息数の低減はもちろんですが、いずれは県内の野外から完全にキョンの姿を排除することを目標としているのだとか。
東京23区も危ない!?
キョンは千葉県柏市でも目撃情報があり、泳ぎが得意なキョンが江戸川を渡ってくれば東京23区にも侵入してくる可能性がある!ということになり、小池知事は平成30年度予算にキョン対策に4億5000万円を盛り込むことを発表しています。
具体的にははこわなということらしいのですが・・・・・果たしてどうなることやら。
(ライター ナオ)