バジルは、栽培が容易で料理によく使われることから、自宅で育てている方が多いハーブです。

当記事では、そんなバジルの剪定について紹介します。

バジルの剪定

剪定(せんてい)とは、植物の枝を切って、かたちを整えたり風通しを良くすることです。

剪定をすることによって、養分を効率よく循環させて、生長を促進したり、病害虫の繁殖を予防する効果があります。

バジルの場合は、剪定方法のなかの1つ、「摘芯」をおこないます。

摘芯(てきしん)とは、頂芽を摘みとること、芯を止めることです。側枝を伸ばすためや、よい花や実を得るためにおこないます。

 

バジルは頂点の芽を摘みとることで、そこから左右に新しい芽が生えて、葉がたくさん茂るようになります。

新しい芽を増やしていくことで、葉の収穫量を増やすことができるのです。

また、バジルの場合は、摘芯をすると株が横に広がるので、草丈をおさえて栽培しやすくなります。

バジルの生態

バジルは、シソ科・メボウキ属の多年草です。

和名はメボウキ(目箒)で、日本では越冬できないので一年草として扱われています。

 

イタリア語由来の名称「バジリコ(Basilico)」 も有名ですよね。

バジルの原産地は、インド、熱帯アジアです。

およそ150種類の栽培品種があり、香りの主成分はメチルカビコール(エストラゴール)、リナロール、シネオール、オイゲノールです。

バジルは、刺激性が低く、生食でも食べられます。

 

イタリア料理に多く使われる品種は、「バジル」「バジリコ」、あるいは「スイートバジル(Sweet basil)」の名前で知られています。

ホームセンターで売られている苗は、スイートバジルと表記されることが多いです。

バジルの季節

バジルは、7~10月のあいだ、収穫を兼ねて摘芯をしていきます。

草丈が20~30センチほどに生長したら、下のほうに付いている葉を数枚残し、その上を手やハサミで摘み取ります。

すると数日で切ったところから新しい芽が出てきます。

 

収穫期間は、「摘芯」→「新芽を待つ」という作業を繰り返します。

3~4回ほどおこなうと、新しい葉がどんどん伸びていきます。

 

また、摘芯した葉は、料理に使うだけでなく、水挿しや挿し木にして株の数を増やすこともできます。

なお、バジルは6~8月が生長期です。

 

この時期は、花の蕾(つぼみ)もたくさんつきます。

蕾を放置して花を咲かせてしまうと、茎葉が固くなってしまい、食用にしづらくなってしまいます。

摘芯のときに蕾を見つけたら、一緒に摘みとりましょう。

 

葉の収穫は、10月ぐらいまで可能です。

バジルは蒸れると風通しが悪くなって、収穫する葉が傷んでしまいます。

 

重なりあった部分を中心に、葉を摘み取っていくと長いあいだ収穫ができます。

葉が混みあっているところは、茎ごと切り落としてもよいでしょう。

バジルのその他雑学など

バジルは、アレキサンダー大王(紀元前356年7月20日~紀元前323年6月10日)によって、インドからヨーロッパに伝えられたといわれています。

イギリスには16世紀に、アメリカには17世紀に渡来しました。

インドでは、ホーリーバジルがクリシュナ神とヴィシュヌ神に捧げる神聖なハーブとされています。

またバジルは、ペルシャ、エジプトでは墓に植える草とされていました。

 

バジルは、とてもポピュラーなハーブであり、さまざまな儀礼や迷信と結びついています。

インドでは葬儀の際に、死者の横にバジルを供えることで、故人が黄泉の国へ無事にたどり着けると考えられていました。

また、中世ヨーロッパでは、サソリがバジルを好むと考えられていて、粉末にしたバジルを吸いこむと頭のなかにサソリが沸くと信じられていました。

バジルのまとめ

以上、バジルの剪定についていかがでしたか?

バジルは、ベランダやキッチンでも簡単に栽培できるハーブです。ベランダだと虫がつくことがあるので、キッチンのほうが気軽だったりします。

 

庭に植えると気をつけないと大繁殖してしまいます。

調味料として家に常備してると料理の幅がぐっと広がりますので、ぜひ栽培に挑戦してみてください。

その際は剪定をお忘れなく。

(ライター ジュン)