銀杏が臭う季節になりました。なぜ銀杏は臭いかというと、それは酪酸とエナント酸のせいなんです。

と、いきなり結論から書いてしまいましたが、それはさておき、この記事では銀杏とその臭いについて紹介しています。

銀杏が臭い理由

銀杏のあの腐臭の主成分は、酪酸とエナント酸です。

酪酸(らくさん)は、ブタノールの酸化によって得られる油状の液体です。

ブタン酸ともいい、不快な酸敗臭をもちます。

化学式は「C3H7COOH」、バターなどの乳脂肪中にグリセリドとして含まれます。

 

また、酪酸菌による糖類の酪酸発酵によっても生成します。

エナント酸は、炭素数7のカルボン酸で、末端にカルボキシル基を持ちます。

 

腐敗物のような悪臭を持つ油状液体で、腐った油のにおい成分の一部です。

水には溶けにくいのですが、エタノールやエーテルにはよく溶けます。

 

ちなみに、種子がつかない雄株の臭いは、それほどではありません。

というわけで、銀杏が臭い原因は分かりました。

では、銀杏が臭い理由はなんでしょうか?

 

それは動物に食べられないようにするためです。

つまり銀杏は異臭を放ち、動物を追い払っているのです。

その効果は抜群で、人間以外はまず銀杏を食べませんし、そのせいもあって、イチョウは世界古来の樹木のひとつに数えられています。

説明が遅れましたが、銀杏はイチョウの実のことです。

イチョウは、裸子植物門・イチョウ綱・イチョウ目・イチョウ科・イチョウ属に属する、中国原産の裸子植物です。

 

イチョウ科の植物は、中生代~新生代(2億5217万年前から現代まで)にかけて世界的に繁栄し、世界各地で化石が出土しています。しかし氷河期にほぼ絶滅しました。

イチョウは、イチョウ科の植物のなかで唯一現存する種です。

銀杏の臭いの消し方

銀杏の臭いを消す方法は以下の通りです。

果肉を洗い流す

銀杏を食べるときは、悪臭を放つ「果肉」を洗い流します。

水のなかで腐らせたり、そぎ落としたりして、果肉と種を分離させます。

 

もちろん洗い流す際には、すさまじい腐敗臭がします。

近所からの苦情に注意しながら、家の外で作業しましょう。

洗い流してもまだ臭うときは、日本酒に1時間ほど浸すとよいでしょう。

土に1ヶ月ほど埋める

なぜか臭いが消えます。

銀杏を踏んだときは水洗い、または、重曹を使う

銀杏を踏んだ靴は水をかけて、ブラシで洗いながら銀杏を取り除きます。

その後、重曹を溶かした水をスプレーします。

 

水に浸けることができるスニーカーやカバンの場合は、まずは重曹をふりかけ3時間放置します。

その後、重曹を溶かした水に3時間ほどつけます。それから洗濯します。

銀杏のおいしい食べ方

銀杏には、さまざまな食べ方がありますが、まずはどの食べ方にも共通する「下処理」を紹介します。

銀杏の下処理

1.銀杏を拾ってきたら、バケツに水をはり、そのなかで果肉を腐らせます。

果肉を腐らせると種が取り出しやすくなるからです。

あとは流水でよく洗いながら種を取りだします。

 

2.取り出した種は、何日もかけて天日に干し、じっくりと乾燥していきます。

 

3.銀杏をストーブの周りに広げてさらに乾燥させます。

殻の色が真っ白になった頃が目安です。

確認のため2、3個割ってみて、なかに水分がなければOKです。

あとは殻(から)を割って食べます。

電子レンジを使った食べ方

1.銀杏の殻を、ハンマーやペンチで軽く割ります。

2.亀裂や割れ目が入った銀杏を封筒に入れます。

封筒の折口は、必ず2回以上折ってください。

しっかり折り返さないと、封筒からが飛び出ることがあります。

3.電子レンジ500wで60~90秒ほど加熱してください。

 

2、3回ポンポンとハジる音がしたらOKです。

軽く塩をまぶして食べます。

銀杏のまとめ

以上、銀杏についていかがでしたか?

銀杏は電子レンジで温める以外にも、フライパンで炒める食べ方があります。

ちょっとめんどくさいですけど、表面を香ばしく焼くと風味もまた変わってくるので、時間があるときには、ぜひ挑戦してみてください。

美味しいですよ。

(ライター ジュン)