秋を彩る風物詩の一つ、松茸。
香りの高さから高級品として市場に出回っていますが、この松茸、実は毒があるって知っていましたか?
松茸の生態
松茸はキシメジ科キシメジ属に分類される薫り高いキノコ。
アカマツの単相林や針葉樹優先林などの林床に生えます。
腐植土の少ない乾燥した土壌を好み、落ち葉などが堆積し、富栄養化した土壌には生えません。
アカマツの根と共生し、数メートルのコロニーをつくります。
日本の冷涼な地域では8月頃から、九州地方では11月の末ごろまで生えているようです。
傘が開いてしまったものは香りが落ち、風味が亡くなってしまうので、地表から1~2センチほど出たところを収穫するのがベストです。
アカマツの樹齢が20~30年程度の林で出始め、30~40年がピーク、70~80年頃には終わりを迎えます。
松茸の産地
日本の主な産地は岩手、山形、長野、京都、兵庫、和歌山、岡山、広島などにあり、時期になるとかなりの高値で販売されますが、近年は需要が高まり、輸入品も多く出回っているようです。
輸入のものは、流通している間に香りがとんでしまうことも多く、国産のものにはかなわないのだとか・・・。
韓国をはじめ、北朝鮮、中国、近年はアメリカやカナダ、スウェーデンなどからも輸入されています。
特に、北欧産のものは国内産とDNAの型が近いらしく、イメージも良いことから、好まれているのだそう。
日本人と松茸
日本では古くは縄文の時代から、松茸を食していたと考えられています。
ご飯やお吸い物、香りを楽しむ料理の数々は和食を代表する一品でもあります。
その他、豪快に網で焼いたり、土瓶蒸しなどで楽しむことも出来ます。
松茸に毒!!??
そんな松茸に毒があるという話は聞いたことがあるでしょうか!?
実はどんなキノコも弱毒性で、大量に食べるとお腹を下したり、吐き気を催したりするのだそう。
松茸も同じ。
もともと松茸の成分であるヒスチジンというアミノ酸が腐敗することによって、ヒスタミンやフエニルエチルアミンという成分にかわります。
その成分が中毒の原因になるらしいのです。
中毒の症状は食べてから20分から1時間の間に起こるそうです。
基本的に松茸を食べる時は火を通すことと、いただいたり買ったりした場合にはなるべく早く食べるようにすることで、食中毒を防ぐことが出来ます。
生で食すのは危険ですのでやめておいた方が良さそうですよ。
どうしてもしばらく保存しておかなければならない時は、しっかりと表面の汚れや水分を取り除き、一つ一つ新聞紙やキッチンペーパーでくるんだ後に、タッパーなどの密閉容器に入れて冷蔵庫に入れておきましょう。
とにかく湿度があると腐敗の原因になるので、湿度をしっかりと取り除くことが重要です。
こうしておけば、3から4日は大丈夫!
それ以上の期間保存する時は一度しっかりと洗ってしまいましょう。
風味は落ちてしまいますが、食中毒を起こすよりは良いでしょう?
保存しておいた松茸がぬるぬるしていたり、カビが生えていた時には潔く、食べるのを諦めるのが賢明です。
松茸のまとめ
松茸はキシメジ科の薫り高いキノコ。
世界中のアカマツ林や針葉樹優先林に生えるが、富栄養化している土壌は嫌う。
日本でも東北、関東、関西などの地域に産地があり、時期になると高級品として流通している。
日本では縄文時代から松茸を食べていたと言われている。
近年は需要が高まり、アジアやヨーロッパ、アメリカなどから輸入している。
弱毒性で、保存の仕方によっては中毒を起こす可能性があるので注意が必要。
食べすぎは禁物、松茸の表面にカビやぬめりがあるときは食べるのをやめるのが賢明。
(ライター ナオ)