植物たちの中には、棘で身を守っている種類が多くあります。
その中でも特に知名度が高いのが「アザミ」。
触ると痛みが走る植物の代表と言ってもいいでしょう。
しかし、そんなアザミでも綿毛はとてもフワフワとしていて可愛いのです。
今回はアザミの生態や開花時期、綿毛についてまとめていきたいと思います。
アザミの生態
アザミはキク科アザミ属に属する植物の総称で、北半球の温帯から寒帯にかけて分布しています。
全体では約300もの種類があり、そのうち日本でも60種以上が確認されているのです。
思った以上に、日本にはたくさんの種があることが分かりますね。
特徴は、紫系統の色合いをした丸い花と、深い切れ込みと棘のある葉。
棘は種類によって硬さが違いますが、どれにしても触るとチクチクと刺さるような痛みが走ります。
ものによっては例え軍手をしていても簡単に突き抜けてしまうようなものもあるので、アザミを触ったり掴んだりする場合には十分に気を付けなければなりません。
下手をすれば手が血まみれになってしまいます…。
野生のアザミの開花時期は種類によって異なりますが、園芸品種に限って言えば大体4月~7月。
主に春から初夏にかけての花ですが、7月に入ってから半分程度まで切り戻すと、秋ごろまで花を楽しむことも可能です。
暑さにも寒さにも強く、特に防暑・防寒対策は必要ありません。
基本的にあまり手間のかからない植物なので、ガーデニング素人の方でも育てることができますよ。
ただし棘は危険なので、小さいお子さんやペットなどを飼っている人は要注意。
日当たりと風通しの良い場所で育て、茎が長くなったら支柱を立てましょう。
アザミは水切れにも強い植物ですが、春から秋にかけての生長期間にはできるだけ水を切らさないようにしてください。
アザミの綿毛
皆さんは「ケサランパサラン」という未確認物体を知っていますか?
白いふわふわとした毛玉で、空中を漂っている物体のことです。
このケサランパサランの正体については諸説あるのですが、「アザミの綿毛ではないか」と言う一説があるのです。
アザミの綿毛はタンポポのものよりも少し大きく、より綿に近い見た目をしています。
群生している場所では、一面綿毛だらけでちょっと不気味かもしれません…。
この綿毛がまとまって風に飛ばされ、空中をふわふわ漂っているところを見た人が、ケサランパサランだと勘違いしてしまったのではないかと言われているんですよ。
前にテレビ番組でも「ケサランパサランの正体はアザミの綿毛だった」と結論付けていました。
でも綿毛はあくまでも綿毛で、それが空中を漂っていても「あ、綿毛が飛んでる」としか思わないような気もするのですが…。
じつは食用にもなります
美しい花を咲かせ観賞用としても楽しめるアザミですが、じつはほとんどの種が食用としても利用することが可能です。
葉や芽は天ぷら、和え物、炒め物などにして食べるのが一般的。
野草独特の苦みが美味しいんだとか。
素手では触れないほどの棘も、若葉ならば火を通すことで全く気にならずに食べることができるそうです。
根も食べることが可能で、茹でた後米のとぎ汁に一晩ほどさらしてアク抜きをし、キンピラなどにして食べるのがおすすめ。
採集の際はくれぐれも棘に気を付けて、軍手を着用し鎌やハサミを利用して採集しましょう。
アザミについてのまとめ
食用としても観賞用としての楽しめるアザミ。
さらに花は染め物にも使えるそうです。
まさに一石三鳥。
棘があるからと今まで敬遠してきた人も、こんなに利用方法があるとわかればアザミに興味を持つこと間違いなし。
私もまだ一度もアザミを食べたことがないので、ぜひ一度食べてみたいです。(特に天ぷら…絶対美味しいですよね。)
(ライター もんぷち)