ミゾソバという植物をしっていますか?
何気なく道端で目にしている人も多いかもしれません。
近くで見るととても可愛らしい、ミゾソバについて詳しくお話していきます。
ミゾソバの特徴
ミゾソバはタデ科タデ属に分類される一年生草本植物です。
東アジアに分布し、日本では北海道、本州、四国、九州の小川沿いや沼沢地、湖岸などに分布します。
特に稲作地帯などではコンクリート護岸化されていない用水路などに群生していることもあります。
日本全体に水田があった頃は用水路の脇や小川の土手に普通に生えていて、見た目がソバに似ていることが名前の由来になっていると考えられます。
草丈は30~100㎝ほどで、根元で枝分かれして勢力を広げ、群生します。
茎には下向きの棘があり、他の植物などに絡みついて伸びる様子も見られます。
葉は互生して形が牛の形のように見えることから、ウシノヒタイと呼ばれることもあるようです。
ミゾソバの花
ミゾソバの花は晩夏から秋、8~10月頃に咲きます。
蕾の状態の時はまるで食べ物のコンペイトウのような形をしており、コンペイトウグサなどと呼ばれることもあります。
茎の先端で枝分かれした先に直径4~7㎜程で、根元が白く、先端が薄紅色の多数の花を咲かせます。
シロミゾソバと言われる白い花をつけるミゾソバもあります。
ミゾソバの利用
ミゾソバは民間薬の一つであるとされてきました。
花期の葉を乾燥させ、煎じたものは利尿の効果があるとされたり、生の茎には止血や鎮痛作用があるとされています。
新芽や柔らかい葉は塩を入れた熱湯でゆでて、水にさらしておひたしや胡麻和えなどにして食用にしたりもします。
ミゾソバの実はそばに似ています。実際に飢饉のときには救荒植物として利用されていたといいますので、もしかしたら実なども食べていたのかもしれません。
実際に、ある方のブログでサルがミゾソバの実を食べている写真を見かけました。サルが食べているということは、人間も!!!???
ミゾソバの種類
地下径を形成し、閉鎖花をつけるものをオオミゾソバといいます。
また、同属にはイヌタデやハナタデなどがありますが、花穂が細長く線形であるので、見た目にはかなりの違いがあります。
ママコノシリヌグイやアキノウナギツカミの等の花序や花がミゾソバに似ていますが、ママコノシリヌグイやアキノウナギツカミは茎に明瞭な棘があり、茎がツル状に長く伸びるので、こちらも容易に区別がつきます。
ミゾソバの花言葉
ミゾソバの花言葉は「純情」です。飾らない素朴な可愛らしい感じからついたようです。
また、俳句では秋の季語として使われています。
ミゾソバのあれこれ
ミゾソバと同じ属には先述しましたが、ママコのシリヌグイだとかアキノウナギツカミだとか、ちょっと変わった名前の植物が多いのですが、その名前の由来について少しお話ししようと思います。
ママコノシリヌグイは5~10月頃に開花し、ミゾソバよりも葉の形が大きく細長い植物です。
ミゾソバと同じく草には棘があり、茎から葉からびっしりとついているので、憎い継子の尻をこの草で拭くという想像からきている名前のようです。
アキノウナギツカミも同様で、棘が関係しているようです。
ぬるぬるとしたウナギでもこの下向きの棘があれば簡単につかめそうだというところからきていると考えられているのだとか。
ミゾソバのまとめ
ミゾソバはタデ科タデ属に分類される一年生草本植物
草丈は30~100㎝ほどで、根元で枝分かれして勢力を広げ、群生する
ミゾソバの花は晩夏から秋、8~10月頃に咲き、蕾は金平糖のような形をしていることからコンペイトウグサと言われることもある。
(ライター ナオ)