お盆に良く見かけるミソハギという花をご存知でしょうか。
今回はミソハギについて詳しくお話していきます。
ミソハギの特徴
ミソハギはミソハギ科の多年草で湿地や田の畔などに生えている植物です。
日本や朝鮮半島に分布していて、茎の断面は四角く、葉は長さ数㎝程度と細長く、対生で交互に直角方向に出ています。
お盆の頃には紅紫色6弁の小さな花を先端部の葉脈に穂状につけます。
一つの花の大きさは1㎝ほどです。
名前の由来はハギに似ていて、禊に使われたところからきている、とか溝に生えることからきていると言われています。
ミソハギの花穂の形がネズミのしっぽに似たところから「鼠尾草(ソウビソウ)」やお盆に飾られることから「盆花(ぼんばな)」、「精霊花(ショウリョウバナ)」といった別名もついています。
ミソハギとお盆の関係
お盆のころにたく迎え火の前にミソハギを使って周囲に水をまいたり、精霊棚のご飯の横などに5~6本束ねたミソハギが飾られます。
ミソハギには喉の渇きを抑える作用があり、その理由は、供養者の狭い喉でもご飯や水を喉に入れることが出来る植物だからなのだそう。
また、お盆だけでなく、祭りごとなどの禊として利用され、悪霊を払う意味合いを持つことから、お盆の間にご先祖様が孵ってきている間はお墓に悪霊がつかないようにと墓地に植えられることもあるそうです。
ミソハギの育て方
ミソハギは開花時期が長く、耐寒性が強いため、比較的簡単に栽培することが出来ます。
浅い水中で抽水植物としても、陸上の花壇でも日向であれば問題なく生長します。
鉢植えの場合は池や水槽に沈め、水深は鉢の表土の3~7㎝が目安になります。
4~6月にかけて緩効性の肥料を月に1回程与え、4~5号鉢が目安です。
病害虫の心配はほとんどありませんが、ヨトウムシやコナガが発生することが稀にあります。
ヨトウムシは夜行性で日中は株元の土の中に潜んでいることが多いので、食害を見つけたら株元を軽く掘り、ヨトウムシを見つけたら退治するようにします。
植え付けは2~3月にかけて毎年か1年おきに行い、土は泥質のものを使います。庭に植える場合は3年に1回程度彫り上げて植えなおしをします。
株分けの時は親株に連なった地下茎を切り分け、あまり茎を短くしすぎないようにして親株に近い元の部分で切ります。
5~6月に新芽の先端部分を切り取ってさし、乾燥しないように注意していれば根が張り挿し木で増やすことが出来ますし、秋に種を採取したものを2~3月に撒けば8月には開花します。
種をあらかじめ湿らせた川砂に混ぜて、冷蔵庫の野菜室に1ヵ月程保管してから種を蒔くと発芽が揃います。
種は非常に細かいので、最初の種蒔きは播種箱かピートバンに蒔くと良いでしょう。種同士が重ならないように注意し、覆土は2㎜程度が無難です。発芽まで乾かさないように注意し、本葉が3~4枚程度になったらポット上げをし、ポットに根が回ったら定植します。
大きく生長し、茎が倒れるほど大きくなった場合は支柱をして支えます。
冬は5℃以下になる地域では室内に取り込むことが必要になります。
ミソハギの近縁種
ミソハギに近い種類にエゾミソハギと呼ばれる植物があります。
ミソハギよりも大型で、葉の基部が茎を抱いていて毛が多く、九州以北の各地に分布しています。
ユーラシア大陸や北アフリカにも広く分布し、欧米でも観賞用に栽培されていたりします。
ミソハギと同じく盆花としても使われ、世界侵略的外来種にも選定されています。
ミソハギの花言葉
ミソハギの花言葉はお盆の花という位置づけもあり、「悲哀」「慈悲」「愛の悲しみ」と言ったものです。
亡き人を弔う気持ちや親しい人を失った悲しみを託した花言葉になっています。
(ライター ナオ)