面白い見た目と名前の「ダイモンジソウ」。
名前を聞いただけで、どんな植物なのかなんとなく想像がついちゃいますよね。
しかし、最近では品種改良をされて「ダイモンジ」ではないダイモンジソウもあるんだとか…?
今回はそんなダイモンジソウの生態や品種、栽培についてまとめていきたいと思います。
ダイモンジソウの生態
ダイモンジソウは日本原産の多年草。
北海道から九州までの広い範囲に分布しており、湿った場所(日陰、岩場、渓谷の岩の上)などに生育しています。
主に山地に生育していることが多いですが、海岸から高山まで幅広く分布しているので、環境や地域によって様々な変種が存在するんですよ。
草丈は5~30㎝で、丸い葉は柔らかく厚みがあり、切れ込みが入っています。
開花時期は9月から11月にかけて。
花の大きさは約2~5㎝ほどで、形が「大」の字に似ていることから「ダイモンジソウ」という名前がつけられました。
先に名前を聞いてから花を見ると、もう「大」の字にしか見えませんね。
5枚の花弁のうち「大」のはらいの部分になる2枚だけが長いのも、計算されているように思えてなりません。
ダイモンジなのに花自体は小さいというのも、面白いですね。
栽培する場合は、風通しの良い明るい日陰で育てましょう。
ダイモンジソウは乾燥には弱く、湿度が高い場所を好みます。
土が乾かないように、常に湿り気のある状態にしておきましょう。
鉢植えの場合は、二重鉢にすることで乾燥を防ぎやすくなりますよ。
鉢の下に人工芝を敷き、そこに水をかけるのも、湿度を保つうえでおすすめな方法です。
面白いダイモンジソウの品種
野花としてだけではなく、園芸品種としても人気のあるダイモンジソウ。
元々変種が多いのに加え、近年では品種改良も盛んに行われたくさんの品種が登場しています。
ここからは、ちょっと変わった面白い品種などを紹介していきたいと思います!
ジンジソウ
漢字では「人字草」と書きます。
その名の通り、ダイモンジソウからパーツが少しなくなって、「人」の字のような形をした花を咲かせます。
シンプルながらも他の花にはない面白さがありますよ。
華扇
シンプルですっきりとした一般的なダイモンジソウのイメージとは大きく異なり、千重咲きのかなりゴージャスな品種です。
花弁の先がギザギザとした「フギレ弁」という形なので、より一層派手な印象を与えます。
はんなり
はんなりはその名の通り、はんなりとした見た目の品種です。
限りなく白に近い淡いピンク色をしたフギレ弁。
八重咲きの大輪ですが決して派手ではなく、見ているだけで癒されそうな柔らかい雰囲気を作り出してくれます。
白糸の滝
まるで滝が流れ落ちているような美しさのある品種。
遅咲きであり、10月下旬から11月頃にかけて開花します。
丈夫で育てやすいのが特徴。
子持ち
小さな花が寄り集まって咲く品種です。
まさに「子持ち」という名にふさわしい姿。
大輪のような迫力はないものの、さりげない賑やかさが庭を彩ります。
七変化
この品種は、花の色が薄い桃色から緑がかった白色へと変化します。
「七変化」というほど変化もしませんが、さりげない色の移り変わりを楽しむことができますよ。
フギレ弁の標準花。
ここで紹介した以外にも、ダイモンジソウには本当にたくさんの品種があります。
スタンダードなダイモンジソウの形をしているものや、もはや全く「ダイモンジ」ではないものまで様々。
ぜひともあなたの庭に合った品種が見つかるといいですね。
ダイモンジソウについてのまとめ
大輪の花のような派手さや豪華さはありませんが、日本の花らしいさりげなく儚げな美しさで、和風の庭とよく合います。
乾燥に弱いため少々手間がかかりますが、その手間に見合った癒しや楽しさを与えてくれるでしょう。
(ライター もんぷち)