バラの施肥は、1~2月と5月と8月の年3回です。
と、いきなり結論を書きましたが、みなさんバラを栽培されたことはありますか?
バラはバラ科・バラ属の総称で、園芸などでお馴染みの花です。ここではバラとその肥料について紹介します。
バラの季節と肥料について
バラの施肥は、年3回が基準となります。
冬の「寒肥」、花が咲いた後に施す「お礼肥(おれいごえ)」、そして秋の開花のために施す夏の「追い肥」です。
寒肥
1月~2月に元肥として有機肥料を、1株につき400グラム、株元から30センチ離して深さ10センチほどの土に混ぜこみます。
お礼肥
5月の一番花が咲いたのち、すぐに施します。
四季咲きのバラでは、一番重要な施肥です。
夏の追い肥
8月の中旬から下旬にかけて、秋の開花に向けて四季咲きのバラに施します。
週に1回、即効性の液肥を500から1000倍に薄めて施します。
夏の剪定の1週間ぐらい前から施すとよいでしょう。
切り戻したところからの芽も順調に芽吹くはずです。
バラは、10月にいったん肥料を抜きます。
肥料をやり続けて、開花の時期まで肥料が効いている状態にすると、花の質が悪くなるからです。また、株が冬の休眠期に入れなくなります。
10月の1ヶ月間は、肥料を施さないようにしましょう。
11月中旬~下旬は、秋の花が終わる時期です。
木を充実させるために、カリ分の多い肥料を施します。
バラの生態
バラは、バラ科・バラ属のうち、特に園芸種(園芸バラ・栽培バラ)を総称します。
バラ属の成形は、灌木、低木、または木本性のつる植物で、葉や茎に棘を持つものが多いです。
バラの葉は1回奇数羽状複葉です。花は5枚の花びらと多数の雄蘂を持ちます。
ただし、園芸種では大部分が八重咲きです。
バラは、北半球の温帯域に広く自生しています。
チベット周辺、中国の雲南省からミャンマーにかけてが主産地で、ここから中近東、ヨーロッパへ、また極東から北アメリカへと伝播しました。
ちなみに、南半球にバラは自生していません。
バラのその他雑学 その1
バラが人類の歴史に初めて登場するのは、古代バビロニアの『ギルガメシュ叙事詩』です。この詩のなかには、バラの棘についての記述があります。
古代ギリシア・ローマでは、バラは愛の女神アプロディテもしくはウェヌス(ヴィーナス)と関係づけられました。
また、バラは香りを愛好され、香油も作られました。
プトレマイオス朝エジプトの女王クレオパトラは、バラを愛好し、ユリウス・カエサルを歓待したときも、バラの花や香油をふんだんに使用したと伝えられています。
バラの香油は、ローマでも愛好されました。
北アフリカや中近東の属州では、さかんにバラの栽培が行われた。
バラを愛した人物は、クレオパトラのほかには、第5代ローマ皇帝のネロがいます。
ネロがお気に入りの貴族たちを招いて開いた宴会では、庭園の池にバラが浮かべられました。それだけでなく、バラ水が噴き出す噴水があり、部屋はもちろんバラで飾られました。
ネロが合図をすると天井からバラが降り注ぎ、料理にももちろんバラの花が使われていたと伝えられています。
バラのその他雑学 その2
「ばら」の名は、和語で「いばら」の転訛したものです。
通常は、漢語「薔薇」の字をあてますが、この語はまた音読みで「そうび」「しょうび」とも読みます。
漢語には「マイ瑰」(まいかい)や「月季」(げっき)の異称もあります。
ちなみに「マイ瑰」は、中国語で「ハマナス」のことです。
ヨーロッパの各種言語では、ラテン語の「rosa」に由来するものが多いです。
また、同じ語が別義として「ピンク色」の意味をもつことも多いです。
バラのまとめ
以上、バラと肥料についていかがでしたか?
バラの歴史は非常に古く、さまざまな地域と人々によって栽培されてきました。
そのお陰で、今では最適な施肥の時期まで分かっています。
バラは手間のかかる花ですが、その分、美しい花を咲かせます。
もしこの記事を読んで興味をもったなら、ぜひ、園芸に挑戦してみてください。
(ライター ジュン)