シュメイギクは、キンポウゲ目・キンポウゲ科・イチリンソウ属の植物の一種です。

シュメイ「ギク」ですが、実は、菊の仲間ではありません。

ここではシュメイギクとその花について紹介します。

シュウメイギクの生態

シュウメイギクは、アネモネの仲間です。

原産地は東アジアで、背丈40~130センチ、横幅40~80センチ、多年草で開花期は秋、高く伸びた花茎の上に大柄な花をつけます。

シュメイギクの葉は、比較的大きめで、表面の手ざわりがカサカサしています。

背丈は品種によって違いがあり、高性種が多いのですが、やや小さめのものもあります。

 

シュメイギクは、古くから渡来したフペヘンシスをもとにした在来品種と、欧州でさらにビティフォリアなどと交雑改良された品種が出まわっています。

ギボウシと同様に逆輸入された改良品種も、日本の気候にもよく順応しており、丈夫に育ちます。

シュウメイギクの花

シュメイギクは、長い茎を伸ばして風になびく可一重や八重の花を咲かせます。

が。

実は、花びらに見えるものは「ガク」です。花弁ではありません。

 

シュメイギクには多数の赤紫色の花弁状の「ガクヘン(萼片)」が目立ちますが、本物の花弁はありません。

なお、中央には黄色の雄蕊が多数あります。

 

萼(がく calyx)とは……花を構成している花葉のうち,いちばん外側にあるもので,そのさらに外 (下) 側には包葉があり,内 (上) 側には花弁 (花冠) がある。

萼は花により何枚ずつかの萼片から成り,多くの場合花冠が美しいのに対して,緑色であって葉に近いが,ユリなどのように花弁と同様になったものもある。

なお萼片はそれぞれが分れているもの (アブラナ,ベンケイソウなど) と,互いに合着しているもの (サクラ,オドリコソウなど) とある。《出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典》

シュウメイギクの季節

シュメイギクの旬の季節は秋です。

 

開花時期は、9月~11月です。

ちなみに誕生花は、9月14日、9月30日、10月8日、10月15日です。

※ 誕生花とは、生まれた月日にちなんだ花のことです。誕生花そのものの概念・起源や、誰が決定しているのかなど、その由来は国や地域によって諸説分かれます。

シュウメイギクのその他雑学など

花名の由来

シュメイギクは、漢字では秋明菊と書きます。

秋に菊に似た明るい花を咲かせることがその由来です。

シュメイギクは、実際にはキク科ではなく、キンポウゲ科の植物なのですが、そこら辺、大らかに命名されているようです。

 

ちなみに、シュウメイギクは、京都市北部の貴船に多く見られることから、貴船菊(キブネギク)の別名もあります。

シュウメイギクは、イチリンソウ属なので、アネモネの仲間です。

 

中国が原産で、日本へは古い時代に渡来し、各地に帰化しています。

英語では「Japanese anemone(日本のアネモネ)」と呼ばれています。

花言葉の由来

シュウメイギクの花言葉は、「薄れゆく愛」と切ないものです。

これは、シュウメイギクの仲間であるアネモネの花言葉が切ないものだからです。

 

アネモネの花言葉は「はかない恋」「恋の苦しみ」「見捨てられた」です。

アネモネには、「アネモネと西風の神」や「ギリシア神話の美少年アドニス」など悲しい伝説があり、それに因んで、花言葉が切ないものになったといわれています。

シュウメイギクのまとめ

以上、シュメイギクについていかがでしたか?

シュメイギクの花びらは、実は「ガク」と呼ばれるものだったんですね。

 

言われてみれば、たしかに内側にある部分のほうが花弁っぽいです。

と、それはさておき、美しい花であることに変わりはありません。

今はシュメイギクが美しい季節、花屋さんを覗いたときは、ぜひ、探してみてください。

心が癒されますよ。

(ライター ジュン)