ハイビスカスは、アオイ目・アオイ科・フヨウ属の植物群です。

原種はおよそ250種類で、そのなかでは扶桑花(ぶっそうげ)が有名でしょうか。

ここではハイビスカスとその種類について紹介します。

ハイビスカスの生態

ハイビスカスは、アオイ科・フヨウ属に分類される低木植物の総称です。

マレーシアでは国花、ハワイ州では州花とされています。

ハイビスカスの花弁は5枚です。その花は両性で、放射相称です。

朝に花が開き、夕方にはしぼんで、次の朝には別の花が開花します。

 

また、ハイビスカスの葉のかたちは変化に富んでいます。

フヨウ属に属する観賞植物には、フヨウ、ムクゲ、ブッソウゲなどがあります。

ハイビスカスの季節

ハイビスカスの開花時期は、5~10月で最盛期は9~10月頃です。

 

花が咲いてからは比較的長い間楽しむことができますが、実は、1輪の花の寿命は1日しかありません。

つぼみが多く、それらが毎日新しい花を咲かせるので、常に開花しているように見えるのです。

ハイビスカスの種類

ハイビスカスの原種は250種以上存在します。

それが20世紀初頭にハワイで品種改良が始まり、現在では1万種類にもなりました。

品種改良に使用されるハイビスカスは、おもに以下の4原種です。

ブッソウゲ

花弁は大きく広い5弁花で、長く突き出た「ずい柱」が特徴です。

花の色は、赤、白、桃、黄色など多彩です。

 

ブッソウゲは丈夫で成長が早く、耐風性や防潮力に優れています。

沖縄では生け垣などに使用されています。

フウリンブッソウゲ

フウリンブッソウゲは、ブッソウゲの仲間で、色や形が珊瑚に似ていることから「コーラル・ハイビスカス」とも呼ばれています。

花全体が垂れ下がって咲き、雄しべが筒状になった姿が風鈴に似ていることがその名の由来です。

ヒビスクス・アーノッティアヌス

ヒビスクス・アーノッティアヌスの花弁は、白く細長く、花の真ん中の部分には赤くて長い花柱があります。ハワイのオアフ島原産です。

葉は卵形、花色は白でほんのりピンクが差すこともあります。

ヒビスクス・コキオ

コキオとは、ハワイ語で「ハイビスカスの原種」を意味します。

花糸と呼ばれる雄しべの細く糸状になった部分が反り返っており、これがコキオの大きな特徴となっています。

 

花の色は、赤、ピンク、黄、オレンジなど暖色系が多く存在します。

以上が、ハイビスカスの原種になります。

そしてここからは園芸種です。

ハイビスカスには多くの園芸種が存在しますが、代表的なのは以下の3系統です。

オールド系

古くからある系統で、在来系とも呼ばれています。

大輪のものはあまりなく、小ぶりな花が多いです。

花付きは良く、暑さや寒さにも強いものが多いので、園芸に向いています。

コーラル系

野生種のフウリンブッソウゲをもとに改良された園芸種です。

小振りの花が下向きに垂れ下がるように咲きます。

花は花弁の縁に切れこみが入り、フリルのような咲き方をするものが多くみられます。花の色は赤系統が多いです。

ハワイアン系

ハイビスカスの種類のなかで、もっとも多い系統です。

花は大きく、色彩豊かな面が特徴です。

また、花弁の幅が広く花弁同士が重なりあい、花弁の隙間がほとんどないため、正面からは円形にみえます。

ハイビスカスのその他雑学など

アフリカ原産の「Hibiscus sabdariffa(ローゼル)」は、 花や果実をハーブティーに利用します。これをハイビスカス・ティーといいます。

ハイビスカス・ティーは赤く、酸味があり、ビタミンCが豊富であるとされています。

ちなみに、ハイビスカスの花や果実だけで作るのではなく、ほかのハーブとブレンドされることが多いです。

ハイビスカスのまとめ

以上、ハイビスカスの種類についていかがでしたか?

ハイビスカスといえばハワイ、フラダンスのイメージですが、実は30℃を超える暑さには弱く、花が咲かなくなったりします。

派手に見えて意外にも繊細な花ですよね。ちょっと印象が変わりました。

(ライター ジュン)