ヒョウ柄ともいえる模様のナメクジを知っていますか?
何ともおどろおどろしいヒョウ柄ナメクジは、実は日本にもいるようなのです。
マダラコウラナメクジの生態
マダラコウラナメクジはヨーロッパ原産のナメクジです。
1867年北米のフィラデルフィアで発見されました。
現在は南米、南部アフリカ、オーストラリアなどにも侵入しています。
体長は10~20㎝、灰色や薄い灰色、茶色などに黒の斑や縦のシミなどの模様が入ります。
模様の入り方によってはヒョウ柄に見える個体もあります。
雌雄同体で頭に生殖器があります。
エサは落ち葉や腐りかけの葉、また弱ったナメクジなどです。
日本では2006年に初めて茨城県土浦市で見つかり、その後島根や長野県でも目撃されています。
日本にどのように持ち込まれたかについては定かではありませんが、おそらく輸入観葉植物などと一緒に入ってきたのではないかと言われています。
2匹いると簡単に繁殖できることから、埼玉県などでも野外で自然に繁殖している可能性があるとされています。
ちなみにマダラコウナメクジの卵は透明の黄色がかかった1㎝ほどの形。
天敵はコウガイビル。ナメクジなどを捕食する、頭が笄の形をした、これまた不気味な生き物です。
マダラコウナメクジと人間の関係
ナメクジは農作物などを食べるので害虫として扱われたり、見た目のグロテスクさから、忌み嫌われることが多いのですが、それ以上に感染症を媒介する可能性がある生物として、警戒されています。
ナメクジの媒介する病気は広東住血線虫症と言って、広東住血線虫という22~23㎜程の線虫によって引き起こされる病気です。
広東住血線虫はナメクジやカタツムリには幼虫の時に宿り、最終宿主はドブネズミやネズミです。
好酸球性髄膜炎という髄膜炎を起こす可能性がある危険な線虫です。
沖縄では平成12年にこの線虫による広東住血線虫症で死亡した人がいるという報告があるほど。
感染後、潜伏期間は2~35日と幅広く、症状がすぐに出ない場合もあります。
人に感染すると、脳に集まってきて発熱や頭痛をおこし、顔面まひや昏睡状態に陥いることもあるので、くれぐれも注意が必要です。
マダラコウナメクジを見つけたら
マダラコウナメクジはまだ日本での報告は多くありませんが、時間の問題とも言われています。
万が一見つけても決して素手では触らないようにしましょう。
万が一素手で触ってしまった場合には石鹸などで綺麗に手を洗うようにしましょう。
また、ナメクジが這った野菜などは綺麗に洗うことが大切です。
生で食する場合には特に丁寧に洗うようにしましょう。
口に入るようなことがあれば、丁寧にうがいすることも必要です。
一匹だけなら塩をふりかけたり、ビールのトラップを仕掛けたりすることで退治できますが、万が一農作物などを栽培している方で、大量のマダラコウナメクジを見つけた場合は、市販の農薬を使って退治することをオススメします。
また、例え一匹でもその大きさが半端ないので、結構な量の塩が必要になります。
ビールのトラップも、ナメクジがビールを飲みほしてしまわないように、ある程度の量が入ったトラップを仕掛けなければなりませんよ。
マダラコウナメクジのまとめ
マダラコウナメクジはヨーロッパ原産で、現在では世界各地に侵入が確認されているナメクジ。
10~20㎝の大型サイズで、黒の斑が入っていて、ヒョウ柄に近い模様のものもいる。
日本では2006年に確認されてから、いくつかの目撃例がある。
広東住血線虫を媒介する可能性があるので、素手で触ったり、マダラコウナメクジの這った野菜をそのまま生食するのは危険。
ナメクジ退治には塩やビールが効果的。
(ライター ナオ)