水族館のイルカショーやイルカセラピーなどでおなじみのイルカたち。
私たちの抱いているイルカの一般的なイメージは、人間と比較的仲が良く、穏やかな海の哺乳類と言ったところでしょう。
ところが、このイルカたち、実は意外に性格の悪い所もあったりして・・・・。
イルカの種類と生態
イルカは世界中の海に生息している鯨偶蹄目クジラ類ハクジラ亜目に分類される種類の内の比較的小さいものを言いますが、学問上の明確な線引きはないそうです。
日本では小笠原諸島をはじめ、いくつかのスポットでイルカの群れを見ることが出来ます。
水族館で見られるイルカはバンドウイルカ、スナメリ、カマイルカ、シロイルカ、ハナゴンドウ、イロワケイルカ等です。
イルカの脳と性格
イルカは体重に占める脳の割合が人間に次いで大きいと言われています。
つまり、知能が高い動物として認識されているのですが、人間のように手先や足などのように、動く器官は少ないため、せっかく大きな脳を持っていても、それを十分に使えておらず、宝の持ち腐れ的な言われ方をすることもあります。
また、知能の高さ故、人間のように仲間を助けたり、かばったりする反面、仲間外れや同じ種類のイルカを攻撃することもあるよう。
しかも、このような攻撃を集団でする姿も確認されており、かなり残虐な一面を持ち合わせていることは確かなことのようです。
イルカと人間のかかわり
イルカはクジラと同じように、戦後の日本の食糧難の時代を支えた貴重な蛋白源でした。
現在でも比較的頻繁にイルカが見られる地域では食文化が残っているところもあります。
イルカの生肉の旬は冬でスーパーなどで肉と脂皮の角切りが一緒にパックされて売られているのだとか。
また、水族館のショータイムではお馴染みのカマイルカ。
カマイルカは行動的なイルカで、しばしば人間の乗るボートなどに近づいてきたりもします。
一般的に人工下での繁殖は難しいと言われているカマイルカですが、海遊館や鴨川シーワールド、名古屋港水族館などでは繁殖に成功しています。
バンドウイルカもショーに登場しますが、バンドウイルカよりもジャンプ力に優れていて、迫力のあるジャンプを見せてくれるのがカマイルカです。
動物セラピーとして自閉症の子供たちの心を開いたり、人間がイルカと泳ぐことで何らかの心理療法的効果が得られることもわかっています。
船でイルカと一緒に併走しながらイルカを観察するドルフィンウォッチングなども行われています。
イルカの攻撃性
集団の中での子殺しやオス同士のなわばり争いなどは動物の世界ではよく耳にする話です。
イルカの攻撃的な性格も、それと同じように種を守るためのイルカたちの防衛本能なのかもしれません。
仲間を攻撃するのも、弱っている仲間がいることで集団としての危険性が増してしまうことを知っているからではないかと言われています。
また、海の中の生態系のバランスをとる為の行動と考えられるともいわれています。
人間の子供同士がじゃれあって、思わず相手を傷つけてしまうような行動と同じだという考え方もあるようです。
いずれにしても、イルカがもともと攻撃的な一面を持っていることだけは確かなようです。
私たちが勝手にシンパシーを感じる動物には、自分達と同じ要素を持ち合わせているということなのかもしれません。
イルカのまとめ
イルカは人間に次いで体重に対する脳の比重が高いと言われる哺乳類。
イルカと人間の関わりは深く、食用としてだけでなく、動物セラピーや水族館のショーなどでも活躍している。
イルカには攻撃的な一面があり、仲間を攻撃したり集団で襲撃したりする一面を持つ。
イルカの攻撃性は種の保存という観点から必要な行為なのかもしれない。
(ライター ナオ)