今ではほとんど見かけることがなくなったクジラ肉。

かつてはとてもポピュラーな食材として、学校給食などでもよく出ていました。

(私は全く食べたことがない世代ですが…)

 

クジラは日本人にとって身近な存在だったんです。

その中でも、「ミンククジラ」は主に捕鯨されていた種類。

今回はそんなミンククジラについて、詳しくまとめてみました。

ミンククジラってどんなクジラ?

ミンククジラは北太平洋やオホーツク海などの寒い海に生息しているクジラです。

クジラの中では比較的小型の種で、体長は約6~7.5m、体重は7~8t。

 

いかに小型とは言っても、やはりそこはクジラ。

人間と比べたらはるかに大きいですね。

 

生まれた時から2m~3mの大きさがあるそうです。

名前についている「ミンク」ですが、陸上に生息している小動物のミンクとは全く関係がありません。

 

「マインケ(Meincke)」というクジラ獲りの名前が訛ったものが由来だと言われています。

このマインケさん、ミンククジラをシロナガスクジラと誤認して、それを仲間が揶揄したことが命名のきっかけなんだとか。

 

「こいつシロナガスクジラと間違えてる!じゃあこっちはマインケクジラだな(笑)」「お、シロナガスクジラ…じゃなくてマインケクジラが獲れたぞ(笑)」って感じでしょうか。

とんだ赤っ恥ですね。

 

そしてそれが正式名称として定着して後世まで由来が知れ渡ってしまう始末…。

まあ個人の名前なんてつけたくてもつけられるものじゃないので、ある意味では良かったのかもしれませんね。

 

ミンククジラの餌は主に小魚やオキアミなど。

食べ物のストライクゾーンが広いので「海のゴキブリ」などという酷い名前で呼ばれることもあるそうです。

 

天敵となるのは人間とシャチ。

小型のクジラなため、子供のころはシャチに狙われてしまうのです。

さすがに成長すると大きすぎてシャチにも襲えないそうですが…。

絶滅の危機?増えすぎ?

クジラと言えば、捕鯨で数を減らしている絶滅危惧種!というイメージが強いですよね。

ミンククジラも日本の捕鯨のメインとなっていたことから、とても数が減っているという印象です。

 

実際、一時期は生息数が激減してしまった時期もあります。

しかし現在では捕鯨の全面禁止により、生息数は増加しているのですが…。

 

ここでミンククジラが「増えすぎた」という派と、「まだまだ少ない」という派に分かれてしまうのです。

ミンククジラが増えすぎて、イワシやサンマなどの魚の数が減ってしまっているという意見や、絶滅危惧種に指定されている「シロナガスクジラ」の漁場をミンククジラが奪ってしまっているという意見があります。

 

ただし、この事実を否定する学者もいるので、ハッキリとしたところはわかっていません。

保護したほうがいい、しないほうがいい、捕鯨して間引いた方がいい、間引いてはいけない…など、相反する意見が常に飛び交っています。

 

捕鯨に関しては国際的な問題もありますし、非常に複雑かつデリケートな課題となっていますね。

基本的に捕鯨は禁止されていますが、ごく稀にスーパーなどで見かけることもあります。

 

あれは、どういった経緯で流通したクジラ肉なんでしょうか。

積極的な捕鯨は行われていませんが、日本や韓国では定置網で偶然に混獲されたミンククジラの利用は許可されています。

座礁したものも同様です。

 

しかし時には混獲を装った密漁によって捕獲されたクジラ肉が流通することも。

その違法肉の多くはミンククジラだそうです。

こうやってルールを破る人がいるから、捕鯨問題が更にややこしくなってしまうんですよね。

ミンククジラについてのまとめ

小型のクジラなので、もしかしたら水族館で見られる?と思われるかもしれませんが、現在飼育している水族館などは残念ながらありません。

しかし、シャチやジンベエザメなど同じくらいの大きさの生き物も飼育できているわけですから、いつかは水族館で見られる日が来るかもしれませんね。

 

それまで待てない!という人は、ホエールウォッチングに出向いてみてはいかがでしょう。

ダイビングやシュノーケリングでミンククジラと一緒に泳いだりできる場所もあるようですよ!

(ライター もんぷち)