サメの繁殖方法をご存じだろうか?
魚類だから卵でしょ?と言っているあなた!!意外や意外、実はサメは種類によってその出産方法も色々なんです。
サメの交接と出産
サメは多くの魚類が体外受精するにも関わらず、体内受精を行います。
「鮫」という漢字はサメが交わって交接をするところからきているのだそう。
サメのオスには腹部にクラスバーという交尾器がついていて、それをメスの体内に押し込み、精子を流し込むことによって受精します。
多くのサメはメスの胸ビレに噛みつき、逃げないように抑えながら交接をします。
この時、メスのヒレに思い切り噛みつく様子は一見残酷に見えてしまうほどで、交接を終えたメスのヒレにはかなり深い傷がつくことになり、これを交接跡とも言います。
ちなみに、世界最大のジンベイザメのメスには噛みつき跡のある個体が見つかっていないのだそうで、多くのオスのサメが交接の際にメスを噛みついて抑える中、もしかしたらジンベイザメだけはその行為をしないのではないかとも言われています。
メスの出産方法は種類によって、卵生と卵胎生、胎生の3種類に分かれます。
卵生とは卵を産むことで、卵胎生は卵は母親の胎内で孵化し、出産する時には幼体の状態で産み落とすこと、そして胎生は完全に哺乳類と同じで、母親から栄養をもらって成長し、産み落とされるということになります。
卵生のサメ
卵生のサメはネコザメやナヌカザメ、イヌザメなどがいます。
比較的小さ目で海底に暮らすサメの中に多い形態です。それぞれ独特な卵の形をしています。
ネコザメは硬い殻でらせん状の卵を1~2個産み、その卵を銜えて安全な岩場に運びます。
そして、流されないように岩の隙間に固定するように置くのです。
殻には小さな穴が開いていて、そこから酸素を取り込む仕組みになっています。
孵化するまでに1年もかかる長い期間、穴が酸素供給の役割を果たすのです。
そして、時期がくると自ら殻を破って外に出てきます。
ナヌカザメの卵は人魚の財布とも言われています。四隅に突起物があり、何かに絡みついて流されないように固定された状態で1年を過ごします。
この卵の殻、実は多くの謎が含まれていて、サメの成長と共に殻の形状も変わっていったり、孵化する時には殻の入り口にある蓋のようなものが自然に溶けだしたりと・・・そのような変化する仕組みについての詳しいことははっきりとわかっていないのだそうです。
卵胎生のサメ
卵胎生で出産するサメにはシロワニやオナガザメなどがいます。
シロワニの幼体は孵化した時点ですでに鋭い歯を持っていて、未成熟の卵を食べて母親の胎内で成長します。産み落とされる時にはすでに1mもの大きさになっており、海での生存競争を生きやすい状態になっています。
胎生のサメ
胎生のサメにはイタチザメやオオメジロザメがいます。
イタチザメは9~12か月の妊娠期間を経て、10~80尾ほどの幼体を産み落とします。
胎生ですが、母親に胎盤があるわけではなく、自身の卵黄と母親からの子宮ミルクというもので成長します。
オオメジロザメは妊娠期間1~13か月、1~13匹の幼体を産みます。産み落とされた時の大きさは50~80㎝です。
へその緒があり、そこから栄養をもらって成長するのです。
様々な繁殖方法の理由
卵胎生や胎生によって出産するのは、天敵からの攻撃を避け、より生存率を上げるためだと考えられます。
特に卵胎生で生まれてくる幼体は生物にとって最も危険な卵と稚魚の時代を母親の体内で過ごすわけですから、生存率は非常に高くなるというわけです。
サメの出産についてのまとめ
サメには出産方法は種類によって卵生、卵胎生、胎生の3種類に分かれる。
卵胎生は敵の攻撃を避け、生存率を格段にアップさせる出産方法である。
(ライター ナオ)