紅葉(モミジ)と言えばやはり秋の風物詩であり、山々が赤く染まっている様子を想像することだと思います。
日本の、北は北海道から南は九州まで様々な地方において紅葉は見ることができます。
観光地になっている場所も多く存在しそこでは紅葉目当てに、ある時期が来ると観光客も多く訪れます。
日本の文化の一つとしても楽しまれていて、芸術作品としてその題材になっていることや、モミジ狩りと言う言葉までできました。
モミジ狩りは紅葉を観光することとほぼ同義ですが、実際にモミジを手にとって眺めるということから始まっており、より紅葉に親しみを持たせることとなりました。
この赤く染まった紅葉ですが、一年中同じ場所において真っ赤になっているわけではないです。
ではモミジの葉はどうして一時期にだけ紅葉として見ることができるのでしょうか。
紅葉(こうよう)とは
紅葉(こうよう)は、モミジと同じ表記になるため意味を混同してしまいそうになりますが、簡単に説明すると葉の色が赤く変化することを指し、モミジはその中の代表的な葉そのものを指しています。
さらにややこしいことにモミジはカエデの葉を指して使うこともあります。
つまりまとめると、一般的にカエデの葉のことをモミジの葉とも言い表し、そのモミジの葉が赤く染まることを紅葉と言うのです。
そして「紅葉」と書いて「こうよう」とも「モミジ」とも読みます。
少し話がそれましたが、モミジはアジアにおいて広く自生しており、落葉性の広葉樹です。
落葉性であるというのは、ある時期に定期的に葉が落ちる植物の性質のことです。
モミジ狩りに行くと木々が赤く染まっているのに加えて地面も赤く彩られていることに気づくと思います。
これはやはり紅葉となる葉はほとんどが落葉性の植物であることを証明しています。
モミジの葉は緑から赤に変化している?
モミジの葉に注目するのは紅葉の時期ぐらいなもんで元の状態を知られていないこともあります。
しかし実際は他の葉と同様に緑色をした時期があり、それが赤く変化しているのです。
どうして色が変わる?
ではどうして紅葉の時期になると元が緑色をした葉が赤く変化するのでしょうか。
通常、葉は葉緑素とも呼ばれるクロロフィルという物質が含まれており、光合成することでエネルギーを吸収する役割を持っています。
このクロロフィルがあることで緑色に見えているのです。
そしてこのクロロフィルは日照時間が短くなると分解されてしまい、新たにアントシアンという物質が作られます。
この一連の流れが葉にとっての老化現象ということです。
このアントシアンがなぜできるかと言うと、日光をエネルギーとして吸収することのできたクロロフィルが分解され減少することで、葉が光によってダメージを受けてしまいます。そこでアントシアンは葉を守る役割をもって作られるのです。
このアントシアンが赤色の色素を持っていて、日照時間の減る時期、つまり秋にクロロフィルよりもアントシアンの色素が強く表れるという仕組みなのです。
赤ではなく黄色にもなる?
答えは言わずもがな、黄色に染まった葉も見たことがあることかと思います。
これも基本的な原理は赤への変化と同様で、クロロフィルの分解に伴って発生するカロテノイドという物質が黄色の色素を持っていることによって起こります。カロテノイドもアントシアンのように光からのダメージを抑えてくれる役割を持っています。
紅葉の葉は緑色から変化したものだった!
紅葉は夏から秋にかけて日照時間が短くなることが原因で起こっているということでした。
そして夏までは基本的に緑色をした葉で、季節の変化についていくための葉のメカニズムが関係していたのです。
ライター yuki_1