「拝啓、錦秋の候、いかがお過ごしでしょうか」というような言葉を、手紙などで見かけたことはありませんか?
この「錦秋」ということば、一体どんな読み方なのか、どういった意味なのか、知らないという人も多いのではないでしょうか。
なんとなく、秋のあいさつに使う言葉かな?という程度の認識の人もいるでしょう。
そこで今回は、そんな「錦秋」の意味や由来などについて、調べてみました。
とても美しい日本語ですので、覚えておいて損はないですよ!
この記事を読み終わるころには、使いたくなっているかもしれません。
錦秋とは?
「錦秋(きんしゅう)」とは、紅葉がまるで錦のように美しい様子を表現した言葉で、秋の季語にもなっています
しかし秋ならばいつでも使える言葉というわけではなく、やはり紅葉が色づく中秋以降に使うのが一般的。
10月~11月を目安に使うのが良いでしょう。
9月ではまだ紅葉が色付いていないことが多いですからね。
11月も、立冬を迎えてからは冬の時候の挨拶を使った方が良いので、実質使える期間は1ヶ月ちょっとというところです。
こういった季節を表す言葉を、時期によって細かく変えるところに日本人らしい心遣いを感じますね。
錦秋はこうやって楽しもう!
錦秋の季節を楽しむのに一番おすすめなのは、やはり何と言っても紅葉狩り。
美しい紅葉の風景を眺めるのにも、いろいろな楽しみ方がありますよ。
歩いて散策するも良し、船で川を下りながら眺めるも良し、電車の車窓から眺めるも良し。
十五夜の満月と紅葉のコラボレーションなんてのも素敵ですね。
バーベキューやピクニック、温泉などを楽しみながら、のんびりと紅葉を眺めるのもまた乙です。
また、秋と言えば「食欲の秋」や「実りの秋」。
キノコ狩りや栗拾いなど、秋の味覚を満喫しながら、同時に紅葉を楽しめる場所もあります。
10月には3連休もあるので、そういったツアーや旅館のプランなどを活用して思う存分楽しんでください。
錦秋は暑くなく寒くなく、天気も良くてとても過ごしやすい気候の時期です。
日々の暮らしからレジャーまで、様々なことを楽しむことができますよ。
錦秋と名の付くものを集めてみました
錦秋湖
岩手県和賀郡にある錦秋湖はその名の通り、秋になると湖の周辺を紅葉が彩る絶景となります。
多くの野鳥や川魚が棲息しており、バードウォッチャーや釣り人にも人気のスポットです。
たくさんの特産品を扱う「道の駅錦秋湖」もあるので、近くに観光に行った際にはぜひ寄ってみてください。
特産品はブルーベリージャム、カシスジャム、わらび餅、たまご煎餅、凍み大根、山菜など。
和菓子
和菓子に欠かせないのは季節感。
秋には秋らしい見た目や味の和菓子が喜ばれます。
お店によって種類は異なりますが、「錦秋」と名付けられた和菓子がたくさんあるんですよ。
紅葉を意識した黄色や朱色の餡を使ったものや、紅葉をかたどったものなど、見るだけで秋を感じられる美しさです。
美しすぎて、食べるのがもったいなくなるかもしれません。
メダカ
まるで金魚のような、朱色をしたメダカがいます。
名前は「錦秋」。
基本的には赤茶色の体色に黒っぽい錦柄が入るので、錦秋のイメージする鮮やかな朱色や黄金色というわけではないようです。
錦秋についてのまとめ
「錦秋」というたった2文字の単語だけで、美しい紅葉の風景が彩る秋を思い浮かべることができますね。
これは日本語ならではの美しい表現だと私は思います。
近年では手紙を書くことも少なくなり、このような季節を表す言葉を使うことは少なくなりました。
しかし、今回いろいろと調べてみて、錦秋という言葉を使ってみたくなりませんでしたか?
機会があればぜひ使ってみてくださいね。
(ライター もんぷち)