この地球上には数多くの動物たちが人間を含めて共存しています。
数えきれないほどの種類が存在し、今もなお新しい種族は発見され続けています。
動物たちはそれぞれの特性に合った環境下で誕生してきたため、ある地域性を持った生息分布が確認されています。
簡単に言うと熱帯地域で誕生した種族は当然に暖かい気候を好む種族であり、何らかの原因によって気温の低い地域に移動をすると生きられないことが多いということです。
これは気温に関してのみ言えることではなく、地質や草木のような地形的なものや、捕食対象となるものの存在があるかどうかということなど、様々な要因が考えられます。
そのため国単位で分布を考えたとき、その国にしか存在しない動物を固有種と呼びます。
世界中には数百もの国があり、環境・性質も色々ですが、オーストラリアには特に多くの固有種が存在しています。
なぜ、オーストラリアには固有種の動物が多いのでしょうか。
またその固有種にはどのような動物がいるのでしょうか。
固有種であるがゆえに知名度の高い動物もいるため、おそらく知っている動物もいることでしょう。
以下、オーストラリアに固有の動物たちを紹介していきます。
固有種その1、コアラ
コアラは平均的に体長60㎝、体重は10㎏弱の動物で、目が小さく、黒くて大きな鼻が特徴です。
水がないことを意味する名前の通り、コアラが水を飲むことはほとんどなく、水分はユーカリの葉を食べることで摂取しています。
ユーカリの葉が食事のほとんどを占めるため、葉を食べる量は1日に1㎏以上にも達します。
さらに驚くことに一日のほとんどを木の上で過ごすためめったに地上に降りることはありません。
固有種その2、カンガルー
有袋類の代表的な動物であるカンガルーはお腹にポケットのようなものを持っています。
胎盤が無いためカンガルーの胎児は半月も経たないうちにそのポケットの中で過ごし始めます。
カンガルーは種類によって大きさや体重が大きく異なりますが、大きい種だと成人男性並みの体長になることもあります。
筋肉質であることも特徴の一つで、筋肉量が多いとそれに伴って体重は80㎏を超えてきます。
そのためパワーが非常に強くむやみに近づいたりした際に怪我をされられるような事故も起きています。
固有種その3、カモノハシ
体長はおよそ50㎝から60㎝で体重は2,3㎏程度の動物です。
カモノハシは他の動物に比べて変わった生態であることで有名です。
それは哺乳類であるにも関わらず卵を産むことや、体温変化が大きく平均して低温であることなどが挙げられます。
そして実はかなり歴史的にも古い種族の動物とも言われています。
固有種その4、セキセイインコ
体長は20㎝ほどで、ペットとしても人気が高く馴染みも深い動物です。
野生のセキセイインコは基本的に群れで行動しある特定の地に定住するのではなく、水のある土地へ転々とする生態があります。
そのため乾燥地帯の多いオーストラリアでも存在している果実や虫などを食料とします。
固有種その5、ディンゴ
見た目や大きさはおおよそ犬と同じです。
というのも、もともと家畜としていた犬が大昔に野生化した種族であるためです。
しかし犬とは少々生態が違っており、大きな群れは作らず家族単位など小さめのグループを形成することや、忠誠心がなくペットのように従えることは難しいとされています。
またオーストラリアには大きな肉食動物がいないため、その意味での最大の動物はディンゴと言われています。
オーストラリアにはなぜ固有種が多いのかまとめ
オーストラリアに固有種が多い原因は太古にさかのぼり、大陸移動の話になってきます。
このレベルでの大昔では現在のような世界地図とは全く異なる地形となっており、大きな一まとまりの大陸が長い年月を経て分裂・移動することで現在の位置になったと考えられています。
そしてオーストラリアはその大陸移動の際、他の大陸に比べて早い段階で分裂することにより動物たちが交り合うことなく独自の進化を遂げたため固有種が多いのです。
島国ではこのような傾向が強く、逆に陸続きになっている国では動物も移動が容易であるため固有種とはなりにくいのです。
オーストラリアに行く機会があれば是非そこにしかいない動物たちに出会ってみてはいかがでしょうか。
(ライター yuki)