みなさんは「タスマニアデビル」という動物をご存知ですか?
名前からしてなんだか恐ろしい動物のようですね。
自然界には悪魔のような見た目の生き物もたくさんいますが、わざわざ名前に「デビル」ってつくくらいだから、その中でもよっぽど怖いヤツなんでしょうか。
いや、もしかしたら鳴き声が悪魔みたいだとか、毒を持っているとか、そういう可能性も。
今回はそんな謎の悪魔、「タスマニアデビル」について迫っていきたいと思います。
タスマニアデビルってどんな動物?
タスマニアデビルは、オーストラリアのタスマニア州に生息している肉食有袋類です。
有袋類ということは、コアラやカンガルーのように袋の中で赤ちゃんを育てる動物ってことですね。
かつてはオーストラリア本土にも生息していたことが化石により確認されていますが、現在ではタスマニア島にしか生息していません。
そしてこのタスマニアデビル、名前に反してとっても可愛い見た目をしているんです!
ネズミのようなクマのような…とにかくデビルと呼ばれるような見た目ではないです。
体長は50~60cmで、体重は6~12キロ。
うーん、大きくも小さくもない、微妙なサイズですね。
大きさに関しても、デビルって感じじゃありません。
一体、どんなところが「デビル」なのでしょうか。
タスマニア「デビル」という名前の由来
タスマニアデビルが悪魔と呼ばれる理由、その一つは家畜を襲う害獣だということです。
肉でも虫でも魚でも、およそ肉と呼ばれる食べ物はなんでも食べると言われているほどのタスマニアデビル。
当然家畜にも手を出します。
そりゃ飼ってるほうからしてみたら悪魔ですよね。
また、タスマニアデビルのあごはとても強靭で、体の大きさに対する噛む力の強さは、動物の中でナンバーワンだとも言われています。
タスマニアデビルはその強靭なあごで、骨をもバリバリ砕いて食べ、毛の一本すら残さないのです。
まさに悪魔の化身。
かわいい見た目からは想像がつかないですね。
そして更に、死肉をあさる姿や鳴き声が悪魔のようだ、ということで「タスマニアデビル」と名付けられたようです。
確かにタスマニアデビルの鳴き声、低く唸るような声でなんだか気味が悪い。
かわいい見た目と全然マッチしていないから、余計に気味悪く感じてしまうのでしょうか。
死の病に侵され、絶滅の危機
かつてはオーストラリア本土にも生息していたタスマニアデビル。
なぜいなくなってしまったのでしょうか。
それは人間による駆除、犬などの人が持ち込んだ動物による影響もあるとされています。
そして現存するタスマニア島のタスマニアデビルにも、絶滅の危機が。
「デビル顔面腫瘍性疾病」という伝染病が発生し、10年間で7割近く数が減少しているとも言われています。
この病自体はワクチンの開発やタスマニアデビル自身が病に適応している兆しがあることから、そう遠くないうちに収束を迎える可能性もあります。
しかしもし伝染病が収束しても、絶滅の危機から逃れることはできないかもしれません。
現在タスマニア島では人間が持ち込んだキツネが繁殖して数を増やしていっています。
そのため生態系が乱れ、食料の減少や縄張り争いなどによりキツネに地位を奪われてしまうかもしれないのです。
オーストラリア政府はタスマニアデビルを絶滅危惧種に指定し、保護活動も活発になってきていますが、絶滅の危機から救うことは難しいかもしれません。
タスマニアデビルのまとめ
多くの生き物が人間の手により絶滅していきましたが、タスマニアデビルもその中の一種とならないことを祈るばかりです。
人間の豊かで快適な暮らしは、こういった野生動物の犠牲の上に成り立っているのだということを忘れてはいけませんね。
うまく人間と動物が共生できる社会を築いていきたいものです。
(ライター名 もんぷち)